。しりあす*長編
□シリアス9
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「俺はお前が好きだ」
何で?
どうしてこんな奴が好きなの?
ダメだよ
「っ…ダメだよ…会長にはもっと良い人が待ってる」
「その待ってる人がお前なんだよ」
「ウチは…っ」
不知火は俯く希に話した
「星詠み科の事は前に言ったよな?俺には少し先の未来が見える。
お前は笑ってるんだよ。俺の傍で。
今お前はすごくツライだろうが、絶対笑う日がくるんだ。
だから、その日までも、その日が過ぎた後も…俺がずっと傍に居てやりたいんだ」
「その未来が見えるなら、今すぐ変えたほうがいい。
変えなきゃいけない未来もあるって、会長はもう知ってるでしょ?」
「そのまま変わらなくて良い未来なんてものは俺が勝手に決めれる。
俺はその未来をちゃんと見たいんだ。
大丈夫。お前が俺を傷つけるような事言っても、すぐ仲直り出来るさ」
不知火は腰をかがめて希の唇にキスをした
「もう1人になろうとするな。彼氏は彼女に頼られたい生き物なんだからな?」
「っ…、会長…」
「一樹って呼べよ」
優しく笑って泣いてる希にもう一度キスをした
__翌日__
「本当に大丈夫なのか?今日くらい休めよ」
「平気!学校行く!」
希の荷物を持ってあげる不知火
まだ全然怪我の治ってない状態で行くのは医師にも止められたが
希は行く、の一点張りだった
強がりなんかじゃないから
一樹が居てくれるからもう大丈夫なんだ
「具合が悪くなったらちゃんと教室抜けるんだぞ?
無理して授業受けるなよ?わかったか?」
真面目な顔して不知火は真剣に言う
「…プッ…ははっ☆」
「何がおかしんだ!」
「うぅん、何でもない☆」
下駄箱で月子達に会った
「おはよう、月子!と、幼馴染達!」
「おはよう^^」
「幼馴染達ってまとめるなよ!てか…崖から昨日落ちた奴が学校来るなよ;」
月子達は希の怪我の理由を知っている
一樹が話していた
学年が違うからずっとは見てやれないし、
月子達なら安心して任せられると希に話した
希も月子達になら知られても良いと言った
少し戸惑いはあったが
いつも通り接してくれたからその不安はすぐに消えた
「病みあがりなくせにずいぶん元気なんだね」
「病みあがりとは何だよっ!!てか何か土萌嫌そうな顔してんだけど><」
七海も土萌も変にその話題を出さないようにという気づかいはしない
これが彼等なりの気づかいだと希はわかっていたので
何のためらいもなく普通に話す事が出来た
「ありがとう」
皆に聞こえないように呟いた
誰にも頼らず自分だけでやってくのは難しいけど出来なくはない
だけど1人だけでも心にある「弱さ」とか「本音」言えるなら
同情目当てだって良い
慰め欲しさでも良い
自分を保てるなら
明日に自分が居るのなら
何でも良いんだ
いつか笑ってこんな日があったねって
笑える日が来るまで
終わりじゃないから
終わらせてはいけないから_______
*END*
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