。しりあす*長編

□シリアス5
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図書室の倉庫


希は音楽を聴きながら一人で居た




購買で買ったパンを希はじっと見た


そしてバックに押し込んだ


「何か、食べる気しないなぁ」


食欲がないなんて事めったになかった

それに、ココの購買は美味しいから尚更


音楽を聴いただけで希は倉庫から出てきた


「あ、ねぇ君。ちょっと良い?」


居室に戻る廊下を歩いてると3年の先輩に声をかけられた


「何ですか?」


希は体育館倉庫に連れて行かれた



「前からさ、気になってたんだよなぁ。付き合ってほしんだけど」



イラッ


希に笑顔がなくなる


「あー、すいません。初見で告白の人は絶対むりです。じゃ」

その場を去ろうとした時ガッと手首を掴まれた


「そんな事言わないでさ、これから俺の事好きになれば良いじゃん?」


「むりだから。断られるってゆう選択肢、あなたにないんですか?どんだけナルシストさん?笑」


嫌みったらしく言ってみた

その言葉に男は表情を少し変えた


「君さぁ、あんま調子こいてると後で謝る事になるよ?」


掴む手はだんだんと強くなる


「そっちこそ。初めて会った人に必ずOKもらえるって思ってた?
 イケメンだったら考えたけど〜。あなたは全然ウチのタイプじゃないからさぁ」


壁際にガッと希を攻める


「殴ってみろよ?」




こいつはウチを問題児にさせたいんだろうか

ならやってやろう

別に問題児だって騒がれるのはどうでも良い



希は拳を強くにぎり首を狙った


だが、パシッと簡単に受け止められた


「へぇ〜。女子にしては力強いんだな。でも、あんま俺をなめんなよ。」


男は希の両肩をガッと掴み、投げるように横に倒した


ガシャーーンッ


「っ;」


ボール入れのカゴに勢いよくぶつかった希

まだ治りかけの腕の痛みに当たる


「君さぁ、他の男子殴って負かせたんだって?俺もそう出来ると思った?俺柔道部なんだよね」


柔道部?


そんな奴に勝てるわけがない

さっさと逃げた方が良い


希は近くにあったバットを投げつけ急いでドアの方へと走った


倉庫を出てとにかく走った



少し前にクラスの男子が居た


人が居る事で少し安心した希は走るのをやめ、人目のつかない所へ行った


「柔道部・・・やっぱバットとか鉄パイプかな?」


希はあの男に勝てる方法を考えていた


怖いけど、考えなきゃいけない事


先生には言わない。会長にも


自分でし返しがしたかった




* * *



学校に行くのが憂鬱だった


昨日はずっとあの男の事で考え込んでいた


苛立ちと恐怖と不安



「おはよう!」

月子の声

続けて七海達もおはようと言ってくる



暗い表情だった希は慌てて笑顔になる


「おはよーー!」


絶対バレてはいけない


またあんな険悪な雰囲気ごめんだ



希はいつも通りに過ごした
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