。しりあす*長編

□シリアス3
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「痛むなぁ」


あんまり怪我のした事がない希はアザをどうゆう嘘で言うか悩んだ


「朝起きたら何かあった。よし、これで良いや」


面倒に理由言うより知らぬ間に、と言った方が楽だ


そして学校に着いた


「そのアザどうしたんだよ?」

「寝てる間に何かあったっぽい!」

「はぁ?お前どんだけ寝像悪いんだよ笑」


クラスの男子は上手く誤魔化せた


だけどその様子を少し遠くから見てた七海達にはおそらく信じてもらえない


七海達をなるべく避けながら過ごした


そして昼休み


ジュースを買おうと自動販売機に向かった

ガシャンと缶ジュースが出る

手に取って持ち上げようとした時うっかり滑らせて落としてしまった


「あー」

普通に拾おうとした時


床に落とした視界の中から誰かの足が目に入った


見上げると・・・


「よぉ。怪我の調子はどうだよ?」

「!!」


あの男だった


男は缶ジュースを手に取り、希に迫った


「お前さぁ、ほんとムカつくよな。男気どりかよ?あぁ?」


「っ」


怪我をしている腕をガッと掴まれた


「ぜってぇ痛い目見るからな。シャシャんなよ」


缶ジュースを希に突きつけて渡す


そして男は去ってった


「・・・」



怖いかも



希は思った


「ん?希?」


目の前に現れた何となく見覚えのある顔


一瞬ボーッとその人の顔を見たがすぐに我にかえった


「誰でしたっけ?」


ネクタイの色を見ると3年のようだ

「生徒会長の不知火和樹だ。」

「・・・あぁ!」


生徒会室に呼び出されたちょっと嫌な記憶がよみがえる


「何で下の名前で呼ぶの?」

「俺は下の名前で呼ぶようにしてるんだ。名前は1番大切なものだからな」

「は・・・?」



何で親に勝手につけられたこの名前が1番大切なんだ


それに自分の名前は好きじゃない


「親が1番最初にあげる愛情、でもあるな^^」


「・・・確かにねー」



確かに


産まれた時は愛してくれたと思う



無事に産まれて良かったって



望まれて産まれてきた






最初は







この人と喋ってると何だが自分が惨めになる


きっと幸せな家庭の中に居る人なんだな


こうゆう人の考えは共感出来ない


「じゃ。」


この人から早く離れたかった


「ところで。」


会長が希の肩を掴む


「お前、ケンカしたんだってな?」



・・・バレてる


「放課後、生徒会室に来い。話す内容はわかってるよな?」


「覚えてたら行きま〜す」


「放送で呼び出してやっても良んだぞ?」


「・・・忘れないようにしま〜す」






あーあ


放課後も憂鬱になるのか


勘弁してほしい




図書室の倉庫で音楽を聴きながらそう思った
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