。超嫌われ*長編

□9「愛情は途切れる」
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「…お母さん、愛美の事嫌いになっちゃったのかなぁ?」

グスグスと泣き出した

「それはいつか会った時に直接聞きな。
時が経てばお母さんも落ち着いて今の事話してくれると思うから」

名前は女の子を抱きしめた

「いつかって?」

「もっと、大人になったら。言葉を今よりいっぱい知ったら会いに行きな。
 大丈夫。他の人に愛美はきっと大事にされるから。親が一生の全てじゃないから」

「…すべて?よくわかんない…」

「わかる日がくる」

わかりやすく言うつもりなんてない名前

「…おねーちゃん意地悪…」

「もう一個絵本読んであげるから」

そう言って教科書を開き、読み上げた



女の子は疲れて、いつの間にか寝てしまった

名前は静かにパタンと教科書をとじた

「…この小ささなら運べるかな」

女の子を部屋に運ぼうと考えた

すると「名字?」と声がした


窓の方を見ると錫也が居る

一階の端の方の部屋なのでここからは出入りが自由だ

「俺が運ぶよ。」

錫也は靴を脱いで女の子を持ち上げた

「どーも。部屋知ってんの?」

「あぁ。一階は男子も用があれば出入りして良んだ」

「ふーん」


部屋に運び、ベットにゆっくり置いた

「愛美ちゃんと何喋ったんだ?」

自分の部屋に戻ろうとバックを持った名前

「錫也達の事と、…愛美の親の事」

「そうか…酷い事言ってないか?」

不安そうに名前を見た

「錫也達に言うような口調で言ってないから。親が一生の全てじゃないって言っといた」

「…理解出来たか?」

「よくわかんないって言ってた。」

「だろうな;でも愛美ちゃんに毒づいてないようで良かったよ」

「嫌いじゃないからね。錫也達は嫌いだけど^^」

ニコッと笑って階段を上がった

「はは…;」

笑った後にため息をついた錫也



* * *


別の日、名前は不知火に廊下で会った

「あ、この前ジュースどうも。一応お礼言っとくよ」

「お前もお礼くらい言えるのか^^」

ハハッと笑う不知火

そのままスルーして行こうとした時

「名前、昼誰かと一緒に食べるか?」

「今日はクラスの奴等と食べる気分じゃない」

「なら生徒会室に来い!名前と話がしたい^^」

「嫌だ」

「ジュースの借りは言葉のお礼だけか?」

「…会長せこい」

ニカッと笑って「じゃぁ昼な!」と言って去ってしまった


「卑怯なやつ」

キッと去る背中を睨んで教室に戻っていった
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