*Starry★Sky

□錫也夢【ホントはね】
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俺の彼女は全然嫉妬も束縛もしない人だった


「昨日、月子と一緒にクッキー焼いたんだ」

「ホントにっ?食べたーい!!」

そう言って袋を誰よりも早くあけた名前

俺の彼女は2年になって転校してきた名前だ



このクッキースマイルだ〜とか言いながらクッキーを頬張る名前は可愛かった

だけど俺のちょっとした期待は外れた


月子と2人で作った事に少し嫉妬してほしかった

でも月子は幼馴染だから気にしないのか


俺はそう思ってパクパク美味しそうに食べてくれる名前を目を細めて見ていた



そこから始まったのかもしれない


嫉妬されたい、束縛してほしいと思い始めたのは




+。+。【ホントはね】。+。+



「名前、今あの人の事見てたでしょ」

「えー?バレた?だってあのTシャツ可愛かったから〜♪顔を見てたんじゃないよ!」


例え顔じゃなくても

俺以外の男に目を向けるのは気分は良くない



俺は意地悪なつもりで

すれ違った女の人を目で追った


「…」

けど名前は見てなかった…

俺はわざと振り返ってまで女の人を目で追った

「錫也、どうしたの?」

気付いた名前

「いや、あの人の髪型タイプだったから、ついな^^」

「誰〜?」

そう言いながら名前は後ろを向いて女の人を見る

「あ、ホントだ!あの髪型可愛い♪髪色も良いね〜」



あれ


嫉妬しないのか


共感しちゃってるし…


天然なのか、鈍感なのか




別の日、俺は急な用事が入って名前と休日デートに行けなくなった

名前に電話をする

「ホントごめんな。来週は「「気にしないでー!ボーリング行くから!」」

残念がるどころか明るい声色が返ってきた

「え?誰と?」

「「クラスの奴等!さっきメール来て誘われたんだ^^
ボーリングとか超久しぶり><♪全部ガターだったらどうしよー!(笑」」

「そっか…じゃぁね」

「「うん!来週はデートしようね〜☆」」

そう言ってすぐプチンと鳴った電話の音


もうちょっと惜しんでも良んじゃないか?

いや、約束を守れなかった俺が悪いけど





用事が思ったよりすぐ終わって3時には部屋に着いていた

名前に電話しようと思ったけどアイツは今、他の男子と楽しくボーリング中


名前のリアルを見ると「ボーリングなう!」なんて
楽しそうにクラスメイトと写っているシャメを載せていた


俺とのツーショットは一度も載せてないよな

それに俺に関しての内容の記事は一回も見てない気がする(これからデート、くらいしか)


他の男子達の事は何だかんだでよく見る

シャメ付きで



「俺って…愛されてるのか?」


俺しか居ない部屋でつぶやいてみた


それが妙に虚しくなった
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