。しりあす2*長編

□12その線は超えずに笑おうよ。
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夜、星月学園の寮の展望台がある所に行った

月子がそこは星がよく見えるって言ってたから暇つぶしに

外出届なんてもちろん出さないさ

とゆーか出して良い時間帯ではない((


私はベンチにごろんと寝っころがった

「をーーー!!!すげぇ!!星ヤバイ!!!///」

予想以上だった

普段夜空を見上げる事なんてないし、こんなに星はあっちで見えなかった

本物の散りばめられた宝石のようだった

我ながら何てロマンチストな表現してるんだ…

「すげぇだろ」

そんな事を思ってたら哉太の声がした

「哉太!」

起き上がって哉太の方を振り向く

「こんな夜に出歩いちゃダメですよ、未成年ボーイ」

「お前も未成年だろ。夜中に女がうろつくなよ」

「寮の敷地内だから良いでしょー」

良かった

体調はもう大丈夫そうだ


心の中でホッとしながらも哉太と喋った

「…今日さ、」

やっぱり今日の事話してきた

「オレンジジュース!」

「;それはもうわかったって。その…理由とか、聞かねぇのかよ」

まぁ気になるよね

普通なら聞かれる事だもんね

「哉太が心配じゃないわけじゃないからね。」

「あぁ」

しばらく黙って星をボーッと見ていた


「…聞かれたくない事は聞かないよ」

どこを見ても星だらけの夜空に目をそらすことなく私は喋る

「深入りなんてしないから大丈夫。だから、哉太は何も気にしなくて良んだよ^^」

笑って哉太の方を見た

再び夜空に目をやる私を哉太はしばらくじっと見ていた

「…」

「何?」

視線が気になる

「いや…」



いつも通りにする事がコイツの優しさなんだ

自分から空気を乱そうとはしないし、不機嫌を表に出さない

錫也に似てるっちゃ似てる(そこだけな)



一緒に居て名前の性格はだいたいわかった



何、と聞かれた後ありがとうと言おうとした

だけど言えなかったのは


距離を置いてるようにもみえたから


自分は必要以上に踏み込まないから

お前等も踏み込むなよって

言ってる気がしたんだ


見えない自己防衛して

俺等に一線置いてる気がする



俺はあの事が少し気になっていた


名前が机に貼られた紙に【父親を殺した】と書かれていた事


何とでも嘘は言える

けど妙に引っ掛かった


でもあの時一瞬だけど


何で知ってるんだって表情したんだ

確信は出来ねぇけど

何となく…




でも簡単に聞いて良いような事じゃねぇし

コイツも言うつもりはないらしいから


必要以上にお互い近づかない方が良いのかもしれねぇ





また夜空を見上げる名前の横顔を見ながら


俺はどうしたら良いのかわからなかった





(ありがとうも)


(何があったのかなんても)



(言えなかった)

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