。しりあす2*長編
□10抑えた自分ばっか表に出すなって。
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「名前、今日一樹会長が生徒会室に遊びに来いだって」
月子から休み時間こんな事を言われた
「じゃぁ行く〜!」
放課後月子と一緒に生徒会室へ行った
ガラ、と月子が先にドアを開ける
「お、来たか名前^^」
会長は私の方に向かってニコっと笑った
「あ、颯斗!そう言えば生徒会入ってるって言ってたね」
「はい。僕は副会長です」
颯斗と軽く喋った後ぬぬ、と声が聞こえた
「翼、こっち来い。2人目の女子生徒、名字名前だ」
会長は前髪アップの人を呼んで私の前に立たせた
「俺は生徒会の会計、天羽翼。好きに呼んで良いぞ〜」
翼はあまり目を合わせなかった
きっと初対面とか苦手なんだな
「翼めっちゃかわいー♪てか身長大きいね!」
そんな事気にせず話しかけてやった←
「ぬ;可愛いは嬉しくないぞ〜。身長は185cmだぞ」
「あ!リボンあるんだ!翼の前髪結ばせて!」
私はバックからリボンを探しながら言った
「え!リボン;」
翼が困ったような顔をするのをお構いなしにリボンを取り出す
「しゃがんでー!」
翼をしゃがませるとピン止めをはずし結び始める
「お前…初対面でよくそんなにいけるな;」
会長がちょっと飽きれ顔
「だって可愛いんだもーん!リボンとか絶対似合う!」
確信してるんだ
この仔はリボンのちょんまげが似合うと!
結び終わって改めて翼を見た
「ほら!やっぱ可愛い〜!!///似合うよ翼!」
「ぬぬー!!俺はこんなの嫌なのだー!」
「でもすっごい似合ってるよ♪かっこかわいい♪」
「ぬー…そうか?」
「翼君、すっごい似合う^^」
「確かに。違和感はないですね」
皆も似合うと声をそろえる
「でも俺男だぞー。リボンなら名前の方が似合うよ」
「今日帰るまで私は翼のピン止めつけてる^^翼はそのままね☆」
私は翼のピン止めをつけてソファに座った
「ぬぅ〜。今だけだぞー!」
ちょんまげになった前髪をぴょこぴょこ触りながら翼は私の隣に座った
私に慣れた感じかな
可愛いww
「あ、名前さん。甘い物はお好きですか?」
颯斗が思い出したように聞いてきた
「好きだよ〜!」
「ならこれ食べてください。皆さんもどうぞ」
そう言って颯斗が出してきたのは美味しそうなおはぎだった
「マジでっ?良いの?颯斗は食べないの?」
私はおはぎを小さなフォークで刺す
「はい。先生から戴いたんですが…あまり好きではなくて」
「なら苦手って言えば良いのに〜。」
「僕が美味しそうに食べるのを見ておはぎが大好物だと思われてしまって…」
少し寂しげに笑った気がする
あぁそうか
この前何か違和感したのは
笑顔が本当ではなかったからか
「颯斗せっかく優しい笑顔出来んだからその良さ殺しちゃいかんぜよ〜^^」
きっと大変なんだろうな
颯斗は笑って
笑って
大丈夫なように
自分を抑えてきたんだろうな
平気と言って笑う事が颯斗にしかなかったかもしれないな
作り笑いなんて露骨に言って良いもんじゃない
それが颯斗の生き方かもしれないから
「おはぎ貰ったら今度私に言ってね☆むしろ私のために貰ってきてww」
冗談まじりに笑っておはぎを食べた
颯斗は少しだけ驚いたような表情をして
「わかりました^^」
と微笑んだ
(その笑顔は)
(ちょっとだけ嘘じゃない気がした)