。しりあす2*長編

□8間違ってないでしょ?
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そうだ

私は人を殺しちゃったから


ここに来たんだ



ここに居る理由は


殺人者の子供は怖いと


飛ばされたからなんだ


「じゃぁ名字!」



けど


悪意があったわけじゃない


包丁を投げられたから


殺さなきゃ殺される


そう思ったから


「名字?」


間違ってないはず


私は間違ってない



「名字〜」

「!」


なおちゃんの呼び掛けに全然気付かなかった

考え事しすぎたな

「ごめん、ボーッとしてた」

「集中しろよ〜!」



昼休みは月子と一緒に食べた

「名前、嫌がらせをした相手わかってたんだよな?」

錫也のいつもの笑顔ではない表情

「うん。」

「どうして俺等に言わなかったんだ?」

「俺等に言ってくれればぶっ飛ばしたのによ」


守る対象じゃない奴守っても損なだけだよ

「言い忘れたぁ」

敵当に言葉を返し錫也の卵焼きを食べる

「名前、今度からは錫也達に言ってね?じゃないと危ない目にあっちゃうよ…」

月子が心配そうに言う

あぁ、こんな私でも心配してくれてる

何か嬉しい…

「大丈夫^^もう済んだし。」

「これから気をつけてね。あ、さっき一樹会長からメールあったんだけど…」

知らない名前

私にメールらしい

内容は放課後生徒会室に来いとの事

そう言えば生徒会長にプラネタリウム何処か教えてもらったっけ


月子は今日部活の日なので生徒会室が何処にあるか教えてもらった



* * *


「…ですよねー」


一人言

何処だかわからない廊下で

口だけの説明でわかるはずのない自分に言う


何て言われたかなんてもう忘れた

とりあえず歩き回ってみよう


「おい、こっちだ」

少し先のドアから呼ぶ人が顔をひょっこり出してきた

「迷子になりかけだった!」

笑いながらその人の元へ駆け寄るとその人は困ったようにため息をついた

「迷子になると思って今階段の方へ行こうとしたんだ」

「でも階段あっちにもあるよね?ここホント複雑ー。一生覚えらんない!」

そんな話をしながら私をソファに座らせる生徒会長

「俺の名前覚えてるか?」

「ぶっちゃけ顔も名前も覚えてないデス!」

「ほーう…度胸あるなぁ、生徒会長の顔も覚えらんないとは」

「今覚えた!」

その人は不敵な笑みでこちらを見てくる

正直かっこいい

「俺は不知火一樹だ。ちゃんと覚えるんだぞ」

「はーい」


カラ返事をすると少し笑って会長は話した

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