。しりあす2*長編
□5生徒会長の道案内。
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だいぶクラスメイトに慣れたこの頃
「お、名前ちゃん今日髪巻いてるね!」
「クセっ毛だってば〜!w」
3年の人にも声をかけられる
けど悪意がある接し方ではないから普通に喋ってるしアド交換もしてる
タメ口で馬鹿っぽく喋るから先輩からは「妹みたい」と言われた
「お前他の奴等にすごい絡まれてるだろ?」
休み時間、移動教室なので一緒に廊下を歩いていた哉太に言われた
「結構話しかけてくるよ〜。第一印象はちょっと話しかけにくいとか言われるけど」
「名前のフレンドリーな性格が広まってるらしいな」
「あと男子と楽しそうに喋ってるの見て話しかける人も居るらしいよ」
錫也に続いて羊も言ってくる
「あんまアドとか教えんなよ?性別は女なんだからよ」
「確かに〜!中身女らしくないしね!(笑」
「…否定しねぇのかよ;」
自分が女の子らしくないのはわかってる
下ネタも全然いけるしノリはチャラいし
恋愛対象にはなりにくいけどね…
「あ!忘れ物したー!取ってくる!」
私はノートを忘れた事に気付き急いで教室に戻った
そして移動教室の方に行く
「…何処だここ」
迷子になってしまった
全然わからない
うろ覚えでさっきの所来たつもりだけど覚えてなかった
「え…こっちかな…でもこんな所通ったっけ?」
独り言ブツブツ言いながら廊下を行ったり来たりを繰り返した
「どうした?」
丁度3年の人が通りかかった
銀に近い髪色の前髪交差…
「迷っちゃいましたー!えっと…何て教室なんだ…?」
教室の名前すらわかんない
「お前天文科だろ?月子と一緒だよな?」
月子…
この人月子と仲良いのかな
下の名前で呼んでるし
「そうッス!私天文科なんだ…」
そういえば学科すらわかんなかった
皆同じ科なのかと思ったわ
「お前…;自分の学科も知らなかったのか;
教室連れてってやるよ。その調子じゃ口で説明しても忘れるだろ」
半笑いの前髪交差の先輩は廊下を歩きだす
「あはは〜☆ありがとうございます!」
1人で教室を移動するもんじゃないな
「丁度良いし自己紹介しとくか…俺は星月学園の生徒会長、不知火一樹だ」
「へぇー!会長なんだ!私は名字名前です^^」
「名前は知ってるぞ。…噂通りの人柄だな」
女子が2人しか居ないから知ってるの当然か
「何て噂されてんの?」
「能天気、自由人、バカっぽい、妹タイプ、楽天家…」
そんなに言われてたのか
まぁこんな喋り方だしそうなるか!
「月子と全然違うでしょ〜?私こんなタイプですww」
「警戒心なさすぎるのは危険だからな?ちゃんと女ってゆー事自覚しろよ;」
「それクラスメイトにも言われたー。まぁ危険だと感じたら避けるよ!」
今のとこ危険人物は寄ってきてない
皆私を可愛がってくれますな
「何かあったら俺に言えよ?着いたぞ」
会長は足を止めた
教室のドアの向こうで聞きなれたクラスメイトの声がした
「ありがとうございます♪じゃ!」
ガラッとドアを開けて教室の中に入っていった
「ったく…;目が離せなさそうだな…」
不知火は困ったような笑顔で名前を見届けた