。超嫌われ*長編

□19「理由」
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「どうして自殺なんてしようとしたの…?」


名前は静かに話す



親父が殺したいほどに憎くて


そしたら本当に死んでしまった


それは正直嬉しく思った


だけど自分の手で殺していて


こんな形で親父が死ぬなんて思ってなくて


望んでいなかった事で




人殺しなんて友達が知ったら


きっと陰で言われるから


それが嫌で連絡途絶えさせて



家族からは要らないって言われるように


家から追い出されて


星月学園に飛ばされた




その日から要らない存在って強く思うようになって



前とは性格が全然違くなって




全員にムカついたんだ


意味もなく


自分にも世界中にも



親を恨んで


自分を恨んだ





要らないって



気付くの遅すぎた







「月子に最初からあんな態度で接してごめん。
でも月子はそんな奴じゃないってわかった時…月子なら受け入れてくれるかなって…
勝手だけどそう思ったんだ…助けて欲しかった」



ホントは独りになりたくなくて


手遅れって思いたくなくて



「だけど駄目なんだよ…私には…生きて良い理由なんてひとつもない」


涙がポタポタと落ちる


月子は名前を強く抱きしめた




「私が名前の生きる理由にはなれないかな?」




病室の外では錫也達が黙って聞いていた

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