。超嫌われ*長編

□18「神様の舌打ち」
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病室に名前の呼吸が静かに何度も響く


酸素マスクは白くなったりを繰り返した


「どうして…名前…」


名前の手を握りながら膝をついた状態でベットに顔を伏せていた

グスグスと泣く声が聞こえる


「月子…きっと大丈夫だから」

錫也達も駆けつけていた







[どうして崖なんて行ったんだろう]


[あそこ夜結構危険だよな]



誰かが喋ってる



何か聞こえる



名前は意識がはっきりしないまま目を開けた

ピクンと手が動く


「名前!?」

「…月子?」


付けてた酸素マスクが邪魔ではずした名前

体を起こしたと同時に月子が抱きつく

「っ、月子痛い…」

「ごめん…でも嬉しくてっ…良かった…!」

「意識が戻って良かった…」

不知火もほっと一安心したようだった



病院の先生に検査をしてもらい、脳に異常はない事がわかった


「打ち傷や打撲は酷いが…何も障害が残らずに生きてるなんて奇跡だな。」

星月先生は驚くように名前の検査の結果を見る

「奇跡?悪夢だろ…」

ベットの上でぼそっと呟く

「悪夢?何でだ?」

「覚悟したのに…」

星月先生はその言葉の意味を悟った

「お前…」

「しばらく1人にしといて」


そう言って星月先生を病室から出した

「月子…面会か?」

ドアの椅子の前で星月先生が出てくるのを待っていた

「良いですか?」

「…ほんとはまだダメなんだがな…名字次第だな。」

星月先生はドアを少しあけた

「名字、月子が来てるぞ。」

「…入れて良いよ」



月子が入ってきた

「名前…」

ベットの前まで来た月子

「はは…手紙の言葉だけで良かったのに…やっぱ直接言えって神様が怒ったのかね」




失敗作だった




ゴミを作り出してしまった






神様が人間を作ったと言うなら




聞こえたんだ




神様の舌打ち



私を作り出してしまった瞬間







舌打ちをしたんだ

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