。超嫌われ*長編
□17「ごめんねだけ言いたかった」
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夜、名前は部屋でずっと泣いていた
「やっぱりもう遅かった…」
私が産まれた時点で
すでにそれは失敗で
良い方につなぐことは出来なくて
クズなんてこの世に要らなくて
粗大ゴミがいつまでも世の中に居たら邪魔だろ?
要らないとハッキリ言う人が居るなら
消える選択肢は間違ってはいないでしょ?
名前は携帯を開き、前の友達と一緒に撮ったプリクラやシャメを見た
ひとつ、ひとつじっくりと
そしてパタンと携帯をとじて紙とシャーペンを持った
書き終わると二つ折りにして部屋を出る
その紙を月子の部屋のドアの前に置いた
「月子が前から友達だったらな…出会うのが遅かったよね」
そう呟くと名前は町の奥の方へと歩いていった
* * *
「何これ?」
あれからしばらく時間が経った
月子が部屋から出ると下に置いてある紙を見つける
「…名前?」
【月子、いっぱいごめんね】
紙にはそう書かれてあった
「名前!」
部屋のドアを開けても名前の姿は見当たらない
「どうしてこんな手紙を…?」
何となく嫌な予感がした
寮の外に出た月子
その前を急ぐように走る不知火を見かけた
「一樹会長?どうしたんですか?」
「名前が…崖から落ちたらしんだ!」
「え…?」
持っていた紙を無意識にギュッと握った月子
「今病院に居るが…意識が戻らないって…病院に行ってくる。月子は心配するな!」
そう言って病院の方へ走って行った
「名前…!」
月子も後を追いかけた