。超嫌われ*長編

□16「聞けない答え」
1ページ/1ページ

ドンッ

誰かとぶつかった名前

ぶつかった相手は持っていたプリントを何枚か落とした

「ごめん」

そう言って拾おうとした

「ぬぬ。お前月子いじめた名前だろ」


ぬぬ?


見上げた先には前髪アップの可愛い感じの人

天羽翼だ

「誰から聞いたの」

プリントを拾おうとする名前

「拾わなくていい!哉太だよ」

パシッと手をはじかれた

「…アイツか。」

名前は立ちあがる

「何で月子いじめるんだよ…羨ましいのか?」

「別にそんなんじゃないよ。いじめて悪かったって」

名前はその場からさっさと去ろうとした

「俺は親に捨てられてずっと1人だった。親が居ないから1人ぼっちだった。
 けど月子達が1人じゃないって教えてくれたんだ。」

翼はまっすぐ名前を見る

「月子傷つけたら許さないからな」

月子は大切にされてるな

安心して学校過ごせるわけだ


「親が居ても1人ぼっちだったら?」

ちょっと意地悪な質問をしてみた名前


「…居ないからわからないけど…とにかく月子に近づくなっ!」

返答に困る質問をされた翼はこう返した

「親が居ないからって不幸せとは限んないし…親が居るからって幸せとも限んない。
あんたは幸せな方なんだよ。」

そう言って行こうとする名前

「ぬ…お前は幸せじゃないのか?」

「…幸せそうに見える?」

逆に質問されたのでぬぬぬ、と困った翼

考えてたらいつのまにか目の前に名前の姿はなかった



「名前」

女の子の声で呼び出された

とゆう事は月子しか居ない

「…私と喋ってたらアイツ等に怒られるよ?」

「名前、どうしてあの時嘘ついたの?ちゃんと七海達に違うって言ってよ…
 じゃなきゃずっと誤解されるままなの…」

「それで良いじゃん。もうどうでも良いじゃん…」

「良くないよ!」

泣きそうな顔で名前を見る


名前は父親の事言おうか迷った


誰かに言って


慰めてもらいたい


月子なら


月子なら


受け止めてくれる気がする


苦しい思いしたって


わかってくれる気がする



月子なら…



そう思って一歩月子に近づいたその時

「てめぇ月子に近づくなっつったろ!!」

七海は名前の怪我の事を多少は考えていて

突き飛ばしたりはせず月子の前に立った

「哉太!私から行ったの!名前のあの行為はホントは違くて…!」

「僕は月子を信じてないんじゃないよ。」

後からもう2人が来るのはお決まりだ

錫也は土萌と一緒に歩いてこっちに来た

土萌が続けて言う

「名字の口から違うって聞かないと月子が名字をかばってる様にしかみえないんだ。」

「どうしてそんなに名字の肩を持つんだ月子」

その場で居るのがツラくなった名前


「ちゃんとお姫様見張っとけば?鎖にでもつないでやったら」

「名前!」


そう言って去っていった

「あのやろぉ…!!!」

殴りたい気持ちを女だからとゆう理由で何とか抑える七海

あの件の怒りも当然おさまってなどいない


「ねぇ違うの!名前、あの時私に何か話そうとしてて「もう名字の話は終わりだ」

不機嫌そうに返す七海

「けど名前は「僕も聞きたくない。」

「俺も…俺等の前であいつの名前を出さないでくれ」

「錫也…!」




どうして




名前、どうして



私に味方をさせてくれないの?



あの時


何て言おうとしてたの?




何かを訴えるような目で


なのに


どうして独りになろうとするの





(答えなんて)


(聞けなくても良いから)




(独りになろうとしないで)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ