。超嫌われ*長編

□15「完全ではなかった覚悟」
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ガラ

保健室のドアが開き名前と月子が出てきた

「名前、大丈夫?」

心配そうに名前を見る

「大丈夫…」

そう言って4人より先に帰っていった


「あいつの怪我は?」

七海は名前が行ったのを確認し月子に聞いた

「うん…内出血とかすり傷程度だから星月先生は大丈夫って言ってた」

「大怪我しなくて良かったよ…」

錫也がホッとしたように言う

「…大怪我したって俺等には関係ねぇけどな」

「哉太!」

七海の言葉に月子が注意するように名前を呼んだ




痛みが少しひいてきた夜、名前は薬局に行こうと思い寮を出る


名前は睡眠薬を探していた


『ホントに睡眠薬って死ねんのかな…』

ネットで調べたけどそんな簡単には死ねないと書いてあった

じゃぁいろんな薬を服用したら?


名前はそんな事を考えながら薬コーナーを見ていた

通りかかった人に何となく振り向くと…

「あ…」

「!」

七海だった

名前は足早に薬局を出ていった


しばらくして七海も出てきた

「おい…待てよ」

名前は構わず無視した

「おいってば!」

腕を掴む七海

「月子にあれから何もしてないから」

七海を睨む

「そっちじゃねぇよ。…お前さ、今日何で鉄パイプから逃げなかったんだよ?」

「…間に合わないと思ったから」

七海に向けていた目をそらした

「お前なら充分避けれただろ。それに体勢戻してた。何でだよ?」



死ねるかもって


死んでもいいやって


だけど突発的に頭を手で守ったのは


まだ覚悟出来てなかったから


「中途半端な覚悟だから…こうなんだよ…」


一人言のように呟く

「は?覚悟?何のだよ…」

「もう離して」

七海の手を振り払って先に行ってしまった

「何だよ覚悟って…」

七海は疑問でならなかった

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