。超嫌われ*長編

□12「最悪のタイミング」
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放課後名前は1人教室に残っていた

机にうつ伏せになってしばらくして教室を出て行った

「名前まだ帰ってなかったんだ」

丁度月子が来た

「部活やってるんだっけ」

「うん。…名前ご飯食べてる?」

最近あまり口にしていない

「何で?」

「来た時より痩せてる気がするから…」

「よく見てるね」

名前は元から細く、スカートも月子より短いので通りすがる男子はもちろん脚に目がいく


「明日お昼一緒に食べない?」

「1人が良いから」

そう言って帰ろうとする名前


「どうして1人になろうとするの?」

月子が問いかける



名前は月子の前まで歩き、黙って月子の首の横を掴むように優しく手を置いた

「名前…?」

月子は少し驚くように名前を見る


「独りになる理由が多すぎたんだ…」

何かを訴えるような目で月子を見つめた

「遅すぎた…でも…」

ツラそうに静かに言葉をつなげた

「名前…」

月子が言葉を返そうとしたその時


「おい!!!月子に何してんだよ!!!」

七海が血相を変えて月子達の方に走る

そして月子から離すように名前を突き飛ばした


ドンッと勢いよく壁の方にぶつかった


「哉太!!」

「てめぇコイツに何しようとしたんだよ!!!言葉の次は暴力か!!?あぁ!?」

壁に当たった衝撃で体をすぐに起こす事が出来なかった名前

七海は胸倉を掴み無理矢理立たせるように自分の方へと近づけた

「違うの哉太!!」

「離せよ…」

名前は七海の手首を掴む

「月子!大丈夫か!?」

錫也と土萌も来た

もちろん月子の首に手をかけてた光景は七海と同じで見ていた

「月子!怪我ない?」

土萌が月子に怪我がないか聞く


錫也は胸倉を掴んだままの七海をなんとか離した


「てめぇが女じゃなかったらぶん殴ってたからな!!」

今にもまた跳びかかりそうな体勢を錫也は抑える

「僕も。全力で殴りたいとこだけど君は女だから我慢してる」

ギロ、と名前を睨む土萌

「違うの!名前はそんなつもりで「月子は黙ってろ。名字、どういうつもりなんだ」

錫也も今までに見た事ないような表情で名前を睨んでいる


「…丁度良いタイミングで来たじゃん。もう少しで月子が怪我するとこだったね?」

名前はニヤっと笑って七海達を見た

「名前!」

月子はそうじゃない事なんてわかっていた

「アザ出来なくて良かったね。…近づいた月子が悪いんだよ?もう近付かないで」

「てめぇ…!!」

七海が我慢できずに名前の腕を掴む

「哉太」

錫也が離すように七海を引っ張る

「俺は名字を甘く見ていた…仲良くなれるかもしれないと思っていた…
 だけど今のでもうはっきりわかったよ。俺が馬鹿だった。」

錫也が冷静を取り戻し、いつもの口調で話す

「今度月子を傷つけようとしたら絶対許さない。
いや、今の時点でもう許すつもりはないが。わかったな?」

名前を睨みながら言った

怒りを抑えた精一杯のいつも通りを演じて

「…」

名前は黙って廊下を歩いていった

「名前!どうして違うって言わないの!?私、あの時…」

「月子、もう何も言うな。」

「錫也、違う!名前は「もうあいつの話すんじゃねぇよ」

七海が睨むように月子を見る

「哉太…!」









遅すぎた



でも



月子に出会って


まだ間に合うかもって







あの時そう思ったんだ

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