。超嫌われ*長編

□11「衝動」
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「名字、クッキー美味しかったか?」

朝、教室につくなり錫也に声をかけられた

「…食べれる味だった」

美味しかったとは言わずに席についた

「素直に美味しかったって言えよバーカ」

七海が顔をしかめて名前に言う

「私はクッキーよりケーキの方が良い」

「なんつーわがままな奴だ…」

ふん、とそっぽを向く名前



授業が終わり昼休みになる


ガタ、と席を立つ名前

「名字、今日も1人で食べんのか〜?」

クラスメイトが言う

「うん。」

「お前と喋りたいっつー隣のクラスの奴が居たんだけどなぁ。
 まぁ気が向いたら俺等んとこ来いよ」

「ありがと」



クラスメイトには前よりかはだいぶ馴染めた


自分でも前より尖ってはいないと感じていた


「落ち着いてきたんだな…」

使われていない管理部屋で1人呟く名前

トゲトゲした性格をいつまでも同じく保ってはいられない

だって元の性格と違いすぎるし


名前はぼんやり前の方の壁を見つめた


急に涙があふれてくる




いろいろありすぎてツライ



人として1番最悪な事をしてしまった事

誰ともあっちの友達に連絡していない事

昨日母親から電話がかかってきた事


全てが孤独になる理由だった



月子がクッキーを渡しに来てくれた時なんとなく思った


ほんとに悪い子ではないんだと


会長の言う通り素直だ


私なんかよりずっと良い子だ



落ちついた今、月子に対する意識が徐々に変わっていく名前


だけど今まであんな態度だったので急に変えるのは無理だ

それにこっちから仲良くなろうと近づけば七海達が許さないだろう



私の過去を見下さずに受け入れてくれるだろうか


月子なら


受け入れてくれるかな



そんな考えがよぎる名前



「1人になるとろくな事考えないな…」


名前は管理部屋を出た





(死にたい衝動が来る前に)

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