。超嫌われ*長編

□10「帰る場所」
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「名前」

休み時間1人で廊下を歩いてたら月子に声をかけられた

「何」

「今日、お昼一緒食べれないかな…?」

「嫌いなのに誘うの?」

「私はそんなんじゃなくて…名前と仲良くなりたいの」

「月子の考えてる事がよくわかんない。私の顔は月子より劣ってるから
 男取られる心配ないって思うの?」

少し笑いながら言う

「違うよ!私はホントに…」

「今日はお昼会長に呼び出されてるの。じゃぁね」




最近思う


月子ってどんな人だろう


裏があるのか

皆の言う通り良い子なのか


まだ裏の部分見てないからこう考えるのかもしれないけど




昼休み、生徒会室に来た名前

「入るよ」

「来たか^^偉いな」

頭を撫でる不知火

「ガキじゃないんだから」

手を除ける名前

「はは^^俺からすればお前はまだまだ子供だ!」

「2歳しか変わらないくせに」

「2歳…何でお前知ってんだ?」

言うつもりはなかったがつい言ってしまった

「…放送ハイジャックの前に先生の名簿見たの。したら留年って書いてあったから」

「そうか。言っとくがテストの成績が悪かったわけじゃないからな?」

ばつの悪そうに言う不知火

「わかってるよ。会長は馬鹿そうに見えないもん」

「それは良い意味でとらえて良いのか?」

「好きにとらえれば?」


そんな会話をしながらお昼は食べ終えた

「…会長。月子ってどんな人?」

「月子か…あいつは素直で頑張り屋だな。
少なくともお前の思ってるような性格ではないな。」

「素直ねぇ…まぁ私とは正反対な感じね」

「お前も案外素直だぞ?」

「そーゆうのやめて」

「何だ、恥ずかしいのか」

「違う」


名前は立ちあがった

「帰る」

「もうか?また誘うからな^^」

「やめて」

ドアを開けて帰る名前

「じゃぁな〜」

不知火の言葉に返事はせず帰っていった




帰りのHRが終わり寮に戻った名前


携帯を見ると一件の電話が入っていた

母親からだ

名前はかけなおした


「「はい名字です」」

甲高い母親の声


「何の用」

「「あぁ名前。冬休みとかお正月は来なくて良いから」」

母親の声のトーンは一気に下がった

「は?」

「新幹線代もかかるし、お母さん出せないわ。」

「…誰がてめぇのとこに帰るかよ!!」

ブチッと切った名前


携帯をベットに投げ飛ばした




来るなって言うためにわざわざ電話してきたの?


何なの



誰が行くかよ

お前の所にわざわざ




「誰が行くかよ…!!」



怒りと言う名の悲しみの涙が頬をつたう


「っ…私の味方なんて居ない…」


外は暗くなりそれでもじっと座ったままの名前

電気はつけずにただ座っていた


するとコンコン、とノックの音が部屋に響く

「名前、…居ないの?」

半開きのドアを押した月子

「何?」

立ちあがってドアの方へ向かった

「あ、ごめん寝てた?」

「起きてた」

「電気ついてなかったから…」

月子が少し不思議そうに言う

「つけわすれたの。で、何の用?」

泣いていたなんて言うわけもなく用事を聞いた

「これ、錫也が作ったクッキーなんだけど…名前にもあげたいなぁって」

ニコっと笑って袋に入ったクッキーを渡す月子

「あんな事言われたのにまだ私に関わりたいの?」

しれっと返す

「…名前と仲良くなりたい」

「仲良くしなくても構ってくれる男子は居るでしょ?」

「そうじゃなくて…私、女の子が入ってくるって聞いて嬉しかったの。 
 それに同じ2年生で…だから仲良くしたくて…」

「…月子、星好き?」

「うん!ここの星すっごく綺麗なんだよ!
星に一つ一つにちゃんと名前があってね、私が好きな星は…」

キラキラした目で星の事を放す月子

ホントに星が好きで星月学園に来たんだ

「あ、ごめん…つい話したくなっちゃって…クッキー食べれる?」

名前はクッキーを奪うように取った

「もらっとく」

そう言って部屋のドアを閉めた

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