。超嫌われ*長編

□8「嫌いになれないタイプ」
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男子の声で下の名前を呼ぶ声がした


名前は誰だと言わんばかりに振り向く


「何買うんだ?」

「…うざったい生徒会長さんじゃん」

「お前な;うざったいは余計だぞ」

不知火は半笑いで言う

「この前の説教で会長はうざったい人になった。」

「あれはな、名前のために言ったんだぞ。」

「まぁどーでも良いけど。てゆーか、何で下の名前で呼ぶの?」

「どうでも良いって…あぁ、下の名前で呼ばれるの嫌か?親しみやすくて良いかと思ってな…」

「好きに呼んで良いけど親しくするつもりなんてない」

お金を入れようとするが不知火に先に入れられた

「ちょっ、割り込みしないでくれる?」

「まぁそう言うな。お前は俺の事嫌いじゃなさそうだから」

「は?」

チャリンチャリンとお金を入れ終えた不知火

「お前は何飲むんだ?」

「オレンジジュース。てか、私が会長を嫌いじゃないって、自分で言う?
うざいって言ったの忘れたの?」


ガコン、と不知火の押したジュースが出てくる

「お前の月子嫌いは一時的なものだ。アイツが本当に良い奴って時期にわかるよ」

不知火はジュースを取り出し名前に渡す

「は?」

「俺の奢りだ!ありがたく飲めよ!」

そう言って不知火は行ってしまった

「奢ってなんて言ってないし…てか何で月子の事…」


会長は悪い人ではない事は何となくわかる

うざいけど何となく嫌いにはなれない人柄

初対面の呼び出しはムカついたけど


だけど月子をかばった事が少し気に食わなかった



「裏の顔は誰も知らないって事か」

名前はジュースを一口飲んでその場を後にした


* * *



女子寮には小学生の女子生徒が何人か居る

事情があって部屋のあいてる星月学園に預けられているのだ


「おねーちゃん」

女子寮に帰って靴を自分の所に入れて寮内専用の靴に履き替えた名前

1年生くらいの女の子に話しかけられた

「おねーちゃん名前なんて言うの?」

ロッカーに貼ってある漢字で書かれた名前シールを指して言う

「名前だよ。」

子供とはあまり接した事がないので単純に名前だけを返すと
名前はさっさと行こうとした

「私、愛美(まなみ)!おねーちゃんいくつ?」

話しかけてくる…

「高校2年生。」

名前はとりあえず質問に答えた

「月子おねーちゃんと同じだね!月子おねーちゃんとは遊ばないの?」


この子、月子知ってんのか

まぁそうか

月子の方が寮に居る期間は私より長いし

「月子は男と遊びたいんだって^^」

ニコっと返す

「錫也お兄ちゃん達と仲良いんだよ。時々遊んでもらってる」

「ふーん。」

小学生なら取られる心配ないしね


名前は自分の部屋へ歩いた

「名前おねーちゃん、遊ぼ!」

「え;」


小学生となんてどう遊んで良いかわかんない

「絵本読んで」

めんどくさい…

なんで私がこんな事…


「しょうがないな」


名前は渋々遊ぶための別の部屋に行った


「じゃぁこの本読んであげる」

名前はバックに入れっぱなしだった普通の教科書を取り出した

「それ絵本じゃなーい!」

「絵本だよ。ほら、イラストいっぱいでしょ?」

そう言って敵当にページをめくり女の子に見せた

「わぁ!星きれい〜!星いっぱい!」

なんせ星専門の高校ですから


名前は体育座りで足をひろげた

「じゃー、読むよ」

さっさと終わらせようと考えていた時

女の子が名前の間に座った

「え?この体勢で読むの?」

「錫也お兄ちゃんはこやって読んでくれるよ。月子おねーちゃんは違うけど」

だろうな

月子はちゃんと座って読むよな

「名前おねーちゃん良い匂いする〜」

「多分香水。」


こうして教科書の文字をただひたすら読んでいった…

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