。超嫌われ*長編
□5「嫌がらせ」
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「ねぇ、お菓子持ってないの〜」
名前は休み時間男子にお菓子の催促をした
「ポッキーあるけど…」
「ちょーだーい」
転入してから1週間が経つ
別に距離を置くわけでもなく、思った事を口にした
変に意識してたら余計疲れてしまう
だけど七海達への皮肉さは相変わらずだった
「ねぇ、ちょっと話そうよ」
振り返ると3年の先輩達だった
4人居る
「…」
名前は不機嫌そうに顔をしかめる
「今付き合ってる人居るの?」
「居ない」
「俺等ん中で誰が1番タイプ〜?」
「…あなた」
そう言って1人の男を指した
「マジで!?俺?」
「あなたはこの中で1番私の受け付けないタイプ。絶対ムリ^^」
「は…」
ニコリと笑いその場を去って行った
「ぷっ…ははは!!お前1番無理だって!」
「っ…るせぇ!!あの女…」
男は名前をギロリと睨んだ
別の日の休み時間、名前は窓側の1番後ろの席でマニキュアを塗っていた
その席の男子には言っておいてある
名前はヘッドフォンで音楽を聴きながら丁寧に塗っていった
ガラッ
勢いよく教室のドアが開いた
「おい!!お前だろ!!月子の靴にこの紙入れたの!!」
七海が1枚の紙を持ちながら名前にツカツカと迫った
「…」
ヘッドフォンで音楽を聴いているので言葉は聞こえない
七海が横に居る事はわかったが無視していた
「聞けよ!!」
七海がヘッドフォンをバッと取った
「おい、アンタのせいでマニキュアはみ出したんだけど」
ギロッと七海を睨む
「んなの部屋でやれ!!それよりこれお前だろ!!」
名前は自分に向けられた紙に目をやる
【クソ女 私はあんたが大嫌い 男に守られて満足か お嬢様気どり】
そう書かれてあった
「んなの知らねーよ」
再びマニキュアに目を向ける
「てめぇしか゛私″なんて使わねぇだろ!!」
「…」
名前は七海から紙をバッと奪った
「おい!!」
「私にも関わる事だから持ってたって良いでしょ?捨てんなら私が持つ」
「てめぇがやったのかよ!」
「哉太、落ち着けよ!」
後から来た錫也が止めに入る
「ふーん。お嬢様ってこう書くんだ」
奪った紙に目をやる
そして他の文字にもじっくり目をやった
「名字、お前がやったのか…?」
「私なら直接言うけど。ムカつくな…私に嫌がらせしてんのかよ」
「誰かがなりすましたのか?」
「今の言葉聞いててわかんない?」
「あ、ごめん…」
錫也が謝る
名前はガタンと席を立ち教室を去った