。超嫌われ*長編
□2「生きてる価値ナシ」
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「何で…あんな子産んでしまったの…」
母親が1人リビングで泣いていた
その言葉を聞いていた名前
名前も涙が溢れてきた
「っ…」
その場に居るのが耐えられなくなって自分の部屋に戻った名前
「産まれてきて悪かったな…親不孝で悪かったな…」
1番憎い父親が死んだ事は正直嬉しいと思った名前
だがその考えはじょじょに別の感情に押し流されていった
思い浮かんだ言葉
≪殺人者≫ ≪人殺し≫
殺そうと思って押したんじゃない
押した先がたまたま階段で
知らなかった
だけど
押したのは私
やっぱり人殺しには変わりない
警察の方では不慮の事故として話は終わった
法律上では殺人をした事にはなっていない
「事故だよ…あんなの…しょうがなかったじゃん」
言い聞かせた
しょうがない事だったんだと
だけどその言葉と裏腹に≪自分は人殺し≫という文字が思い浮かびあがった
殺したいほど憎かった
殺せるなら殺してやりたいと思っていた
いつも 常に
名前は布団の中で声を抑えて泣いた
「星月学園?」
「そう。寮だし、アンタもそっちの方が過ごしやすいでしょ。」
母親に寮生活をすすめられた
言いたい事はわかっている
[あんたと離れたい] [一緒に居るのはもう嫌だ]
「星を学ぶの?」
「あんた、星の画像集めてたじゃない。
それに遠い所じゃそこしか受け入れてくれる所見つからなくてね…」
確かに集めてたけど
そんなの画像収集の一部で
だけど口にしなかった
何でも良いから理由をつけてとにかく家から追い出したいとわかっていたから
「わかった。明日には出れるように荷物まとめるから」
「家具は輸送しとくわ。新幹線のチケット取らなきゃ…」
母親はやる事を次々に口にした
名前は黙って部屋に戻っていった
***
ユラユラと少しだけ揺れる新幹線
名前は何処を見てるわけでもなくただボーッと目線を景色に向けていた