。しりあす*長編
□シリアス6
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『痛ぇな・・・』
投げ倒された時に当たった腕を授業中に何気なくさすっていた
「どうしたんだよ?」
隣の席の七海がそれを見てた
「え、別に・・・」
腕さすってるのが気になるのか?
別に目につくような光景ではないと思うけど
希は少し考えたあとすぐに自分で答えが出た
そうか また問題起こしてないかどうか見てんのか
過剰な反応されるとこっちも小さな行動さえ抑えなきゃいけない感じで窮屈だ・・・
ありがた迷惑な視線を苦笑いしながら黒板の文字をノートに写した
放課後
「やっほう★今日一緒に帰る約束したよね?」
「は・・・」
靴をポンと下に置いた時、同クラが数人居る前で柔道部のあの男がこんな事を言ってきた
「藤城、そうなのか?」
知らない、と言おうとしたが少し先に七海達が見えた
ここでモメてるとまたアイツ等に何か言われる
希はとっさに「あ〜!そうだった★忘れてたわ〜」
男はニヤっと笑って「忘れっぽいんだな〜希ちゃん♪」とポンポン肩を叩く
「あ、希。あれ?3年の人と一緒に帰ってる・・・」
男と希が2人で昇降口を出るのを見た月子
「誰だあの男・・・」
七海が目を凝らす
「あいつは見た目じゃわからないな・・・」
錫也が言う
人のわずかな表情でも読み取れる自信があった錫也
だけど希はわからない
ただ笑って誤魔化す
錫也はそういう希が心配だった
表に全く出さない感情がある分希の負担は大いはず
そんな事を思われてるとは知らず希は男と一緒に歩いていた
「・・・何の用?」
「昨日怪我させちゃったよね〜。ごめんね?」
心ない謝りにイラッとくる
「で、付き合って欲しんだけど。ダメならセフレでも良いやw笑」
ムカつく
そんならネットで探せバーーカ
「断られるの知ってて言ってんスか」
「傷つけるのは可哀想だけどー・・・その方法しかないからねぇ?」
不気味な笑みで希を見る
「っ・・・」
怖い
柔道部に勝てるわけないし
でも助けは求めない
「明日、体育館倉庫に来てね。良い答え待ってる^^じゃ。」
そう言って女子寮まで送った男は自分の寮に戻って行った
野球のバットで対応出来るかな
寝着くまでに何度も頭の中でシュミレーションした
大丈夫
勝てるから
自分、強いから