*Starry★Sky

□ぬいぬい【優しい人】
3ページ/4ページ

「星月学園に来たからには楽しんでもらいたいんだ…それに、俺個人としての願い。
死にたいなんて思うなよ…」

悲しそうに名前に視線を向けた

「なんで…っ…他人にそんな事言われなきゃいけないの?
何の関わりもないのに、どうしてそんな事言えるの?」

声が震える


「お前をもっと知りたい。俺の勝手で悪いがな^^」


少し微笑む不知火

優しい表情



どうしてこんな奴に


偽善者って


良い人ぶんなって


そう言った奴に


どうして優しく笑う事が出来るの?



「っ…愛されたくないなんて一言も言ってないのにっ…
世界中の人に愛されたいなんて欲はないのに…
皆がウチを拒絶してるように見えて仕方がなかった…っ」



今までの思いを

全部不知火に言った

不知火は優しく名前の頭を撫でた

怪我をしてる不知火の手を見て名前はそっと触った

「ごめん…」


小さくつぶやいた


「誰も拒絶なんかしていないさ…誰でも不安になる事だよ」


こんなに優しくしてくれた人に

自分のせいで怪我をさせてしまった


名前は申し訳ない気持ちでいっぱいだった


「少しずつで良いから、皆と話してみろよ」


「今更変えられない…もうムリだよ…死にたいよ…死にたいよ…っ」


「大丈夫。たった今、俺の前で変われたじゃないか」

「っ、」


変わりたい


変えたい



もっと生きたい



「知ってるか?死にたいって思ってるのは生きたいって思ってるのと同じなんだよ」


死にたいは生きたいの裏返し


そう不知火は言った


「お前は今生きたいって言ってるんだ。変われるよ。俺がちゃんと傍に居るから」




言って良いの?


生きたいって


言って良いの?



「笑いたい…皆と話したい…もっと…生きたい」



本当は


まだ呼吸していたい


「よく言えたな^^良い子だ」


髪をワシャワシャと撫でる





「少しずつ変えていこうな^^」





不知火と名前は下に降りて行った



きっと変われる


優しい人はそう言って笑った




+。END。+



あとがき→
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ