過去拍手SS

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夕闇が、沈黙が、二人のうちに落ちてくる


薄く閉じたお前の慈愛に満ちた眼差しは


俺の荒んだ心の闇に明かりを燈す



うちひろがるお前の亜麻色の髪のもと


すこしずり落ちた着物の間から


お前の白く光る肩がのぞいている



子供の様にその白く柔らかい胸元に縋ると




お前は黙って髪を梳いてくれた




お前のその優しい沈黙が好きだ




満ちたりた俺の心には




その沈黙はもっとも甘美で優しい二人のだけの「愛の言葉」になる…




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