ヤンデレ
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好きだ
好きだ好きだ
好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ
愛してる
その髪の毛の先から、爪先まで、全てを全部愛してる
だから、焔の様な髪の毛も、手に吸い付くような肌も、鈴のように愛らしく鳴く声も、全て全て俺の物だ
他の誰にも見せない、渡さない、話させない
お前のその姿を見ることができるのは、この世で俺だけで十分だ。
世界中の誰よりも、俺が一番お前を愛している
他の誰にも、この世界からお前に与えられるどんな愛情よりも大きな愛を、俺がお前に与えてやるから、だからお前はただ俺のそばにいればいいんだ。
俺の隣にいて、俺にだけ愛をささやけば、それでいいんだ。
「ユーリ!どうしたんだ?ボーっとして」
「…ん?あぁ、悪ぃ。考え事してた。」
「えー、なんだよ。せっかく俺と話してるのに、ユーリは俺と話すのがそんなにつまんねーのかよ。」
「そんなに拗ねんなって。」
「………またユーリはそうやってさ。……ユーリは大人で、いつでもそう言う風に余裕でさ。きっと俺ばっかこんなにユーリのこと考えてんだ。………ムカつく。」
「……頬膨らませてるとますます子供っぽいぞ、お坊ちゃま。」
「〜〜〜ユーリ!!」
俺が、いつ、余裕だって?
「ルーク!何してんだ?早く一緒にクエスト行こうぜ!」
「あ、リッド!」
「ルークちゃん、そんな女顔野郎ほっといて、さっさと俺様と出かけようぜ!」
「ちゃんって言うなよなゼロス!!」
「そうね、早くしないと貴方の分も私が活躍しちゃうわよ。」
「え、ずりーよジュディス!」
今、関心の無い様な顔を張り付けてる俺が?
「今行くから待ってくれよ!!……じゃぁユーリ、行ってくるな!」
「あぁ、気を付けて行ってこい。」
「おうっ!」
その綺麗な笑顔を俺以外に向けるお前に、こんなにも激情が心を満たしているのに?
あぁ、触るな。
それは俺のだ。
ルークの頭を撫でるリッドに
ルークと談笑するゼロスに
ルークをからかうジュディスに
ドロドロとした黒い感情がひっきりなしに湧き出てくる。これが嫉妬じゃないのなら、何というのか教えて欲しい。
なぁ、何処が余裕だって?
ルークに触れるのも、言葉を交わすのも、そのころころ変わる表情を見るのも、俺しか許されないはずなのに。
なぁ、いつお前に伝えようか。
誰もお前を知らない場所で、誰にも見つけられない場所で二人で暮らそうと。
俺が余裕ぶっていられるうちに。
そうしないと、ルーク、嫉妬でお前を壊しちまいそうだ。
早く、早く
お前に近づくもの、全てを壊す前に
早く、早く・・・