頂き物

□サプライズチョコレート
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・マイソロ2設定
・ユリルク
・ユーリ視点
・バレンタインフリー


不意に入った依頼クエスト。

オレの護衛対象者であるエステルが勝手に請け負ったものだが、その討伐クエストを早々に終えてバンエルティア号に戻って来るなりオレは後始末―――船長への報告などを他のメンバー連中(主にエステルに、だ)に任せ、オレの恋人で恋仲のルークに会うため、またその姿を求めて彼らと別れた。

後ろでエステルがなにやら文句を言っていたが、今日は久しぶりにルークとゆっくり過ごそうと思ってたのに手伝ってやったんだ、それくらいは勘弁して欲しい。

幾分かして聞こえなくなったエステル達の文句をそのままにしてルークがいるであろう場所へと向かう。

彼に貸し与えられた部屋の戸を開けるとオレの予想通りにルークがいて、オレの口端が僅かに上がる。

「よぉ、なにしてんだ?」

ルークがオレに気付いていないことをいいことにそっと近寄り、耳元で囁いてやる。
と、びっくりしたんだろう。

「ユ、ユーリ・・・!」

驚いた表情でオレを見て。
くぐもった声で微かにお帰り。と唇が動き。
その唇にチョコレートを銜えてた。



「・・・美味そうだな」



チョコレート銜えたままこっちを向くその顔


(あ―・・、やべえな・・・)


チョコレート銜えたままのその唇ごと喰っちまいたい。





・・・・・・思わずそんな衝動に駆られる。

が、確かルークが今口にしているチョコレートは、お金を得ることの難しさや大変さを身を持って知ったルークが依頼を熟してこつこつと貯めたお金で初めて買ったもののはず。
そんな、なによりも換え難い報酬品を貰うわけにもいかず、オレはグッと我慢して身を引こうと近くなりかけた唇を離す。
と、オレの長い横髪を強く引かれ―――・・


―――・・唇に柔らかいものと若干固さが残るものが押し付けられた。

事態をあまり把握出来ぬままに互いの唇の間に挟まれたチョコレートは緩やかに溶けてオレの口の中に入ってくる。


ちゅ・・・


そんな音が聞こえたと同時に一瞬にして離された唇。

頬を染めるルーク。


「・・・おすそ分け///」


チョコレート色の口紅を塗ったルークはそう口にし。


「凄く美味くて幸せになったから・・・だからその幸せのおすそ分け///」


いつも世話になってるし。と恥ずかしそうに頬を赤く染めたまま俯いて。
ゴミを片付けて来る、とその場を逃げ出した。


「すっげぇ美味いチョコレートだから・・・
だから味わって食えよっ」


去り際にそんな言葉を残して。


「・・・ったく、無茶言うなっての」

唇に今も残るチョコレート。

ぺろりっと舐め上げると味わう間もなく消えてった。




サプライズチョコレート

(―――・・は反則だろ///)


END



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