STORM LOVER

□第10話 「体育祭! 後編」
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荻本「スタート地点から50m先に用意されている衣装選択ゾーン
   中身は一切見ないで袋ごと手に取ってください
   さらに50m先に用意されている生着替えROOM!
   この中で始めて自分が何の衣装を手に取ったのかわかります
   暗闇の中でうまく着替えてトラック一周走ればゴール!!
   いかに簡単に着替えられる衣装を取れるかがポイント!
   それでは全員スタートラインに並んで下さい!」

男子「お…おい2-2(ウチ)から出るの誰かと思ったら…
   何で碓氷さん…!?」

荻本「よォーい…スタートッ!!」

美咲「(…ん?)」

『(おっそ…!!)』

開始3秒で
え、まじで走ってんの?!並の遅さだという事に気づいた…

そして 私は幸村先輩とゆっくり着替え室についた…

幸村「キャン」

『幸村先輩?!』

美咲「…ん? 何だ 今の犬みたいな声…」
碓氷「…あ」
美咲「ゆっ…幸村!?」

幸村「そ…その声は会長…?」

『大丈夫ですか?』ヨイショ

幸村「ごっ ごめんなさい
   僕 なにか邪魔しちゃいました!?」

美咲「いや 別に…
   お おい幸村っ…」

『幸村先輩?!』

私は幸村先輩に追いつくために急いで着替えた…
だが 衣装は女性用制服…

着替えてしまった物はしょうがない…
髪も変えよう!

男子「おい あれ見ろよ」
男子「うわ 誰だ あのメイドと女子!?」

『幸村先輩待って下さい…!』

女子の制服ってこんなに走りにくかったっけ?

男子「あんなの着て何目立とうとしてんの?
   イタくね!?
   つか自分でメイド衣装用意したんじゃねーの!?」

『あの野郎どもっ!!』

男子「メイドが似合う僕がこの種目に華をそえましょうってか!」
男子「アハハなんだそれ超ウケる」

『幸村先輩…行きましょう』

幸村「…うん…」

男子「ってか本当に誰? 女子の方…」

『五十嵐椿! 何かもんくあんのか!』

男子「「「ビクッ」」」

『大丈夫ですか…』

美咲「――大丈夫か?
   立て 幸村」

『美咲先輩?!』

幸村「!?」

美咲「一緒に走ろう」

男子「な…なんだあの衣装…」
男子「あっ…また誰か…う 碓氷さん!?」

碓氷「会長待ってよー」

男子「「「会長!?」」」
男子「な…なんで あの三人が仮装競争なんかで」
男子「ここまで本気になってんだ…!?」

美咲「――…本気で 何か悪いか?」
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