アルラン
□My=Arm
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その光景を確認した時、何故彼を好きになったんだろうと思った。
彼に何の感情も抱いてなければとても綺麗で、お似合いだと思えたのに。
…いや、どの感情を抱いていても多分そう思うだろう。
綺麗だと、お似合いだと思ったから私は逃げたんだ。
私を名を呼ぶ彼の声がした気がしたけど、構わず走る。
足元をちゃんと見ていなかったため、私は転んで階段から落ちてしまった
しばらく膝を抱えていると、銃声や悲鳴に混じって足音が聞こえてきた。
「ランカ!!」
愛しい人の声だった。
迎えにきてくれたの?
あれは誤解だと言いにきてくれたの?
差し延べられた手を掴もうとする。
「ランカ、歌ってくれ。」
手が止まる。
目の前が陰る。
彼は今何を言ったの?
差し延べたその手は
闘うための道具を起動させるための…。
My=Arm
(きっと、貴方は無意識にそう思っているのでしょう)