‡BOOK‡

□お昼寝
1ページ/2ページ


上質な革のソファの上。 
極卒は眠っていた。 

その極卒の上には少女が寝転がっていた。
少女の手には人形。少女そっくりな人形と、目深に帽子を被った男の人形。

少女は極卒の上で人形遊びの真っ最中だ。 



「ふふ…」



少女の手により二人の人形が戯れる。
少女は小さく笑った。



「おい、」




「!」



ふと。眠っているはずの極卒が呟いた。それも、心底機嫌が悪そうに。 



「ぁ、ご…めんなさい。」


起こしてしまった。怒られる。そう思った少女は咄嗟に謝った。 
しかし極卒は黙ったまま。 



「おとなしく寝ろ。」



「?」



ぎゅ、と抱き締められてしまった。 
少女は呆然とする。しかし直ぐ安堵の溜息を小さく洩らす。 



「おやすみ、」


「ん…」



ちゅ。と、極卒からの口付け。不思議なことに少女は眠くなってきた。
そのまま、極卒の腕の中で少女は眠った。 


それから。2人が起きたのは日も沈みかけた夕方。
久しぶりの極卒の休暇は、昼寝で終わってしまった。 


end 

(…)

(…次の休みは遊んでね?)

(…もちろんだ)
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ