‡BOOK‡
□お昼寝
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上質な革のソファの上。
極卒は眠っていた。
その極卒の上には少女が寝転がっていた。
少女の手には人形。少女そっくりな人形と、目深に帽子を被った男の人形。
少女は極卒の上で人形遊びの真っ最中だ。
「ふふ…」
少女の手により二人の人形が戯れる。
少女は小さく笑った。
「おい、」
「!」
ふと。眠っているはずの極卒が呟いた。それも、心底機嫌が悪そうに。
「ぁ、ご…めんなさい。」
起こしてしまった。怒られる。そう思った少女は咄嗟に謝った。
しかし極卒は黙ったまま。
「おとなしく寝ろ。」
「?」
ぎゅ、と抱き締められてしまった。
少女は呆然とする。しかし直ぐ安堵の溜息を小さく洩らす。
「おやすみ、」
「ん…」
ちゅ。と、極卒からの口付け。不思議なことに少女は眠くなってきた。
そのまま、極卒の腕の中で少女は眠った。
それから。2人が起きたのは日も沈みかけた夕方。
久しぶりの極卒の休暇は、昼寝で終わってしまった。
end
(…)
(…次の休みは遊んでね?)
(…もちろんだ)