★ 小説置き場 ★

□素直になれない
1ページ/2ページ






 へらへらと笑う緩んだ顔、遠くから見てもあいつだと分かる赤い髪。




誰にでも優しく誰にでも好かれる、 そんな奴。




オレは授業のさなか、アリアの方を横目でみていた。


赤い髪がふわりとゆれ、綺麗な瞳がうすぼんやりとみえる。


アリアは隣に座っているロイとなにやらこそこそとしゃべって笑いをこらえたりと楽しそうにしている。



いつものことだった。



一方、アリアの兄であるアルスは真面目に授業をうけていて後ろからム―とスーがちょっかいをかけてからかっている。



これもいつものこと。



(てんで兄貴とは違う、か・・・・)



オレは教科書に目をうつした。



アリアは前からロイと仲が良かった。

兄妹のような感じでいつも一緒だし、本当の意味の兄妹のアルスとはちょっと違う関係だった。


ロイもまんざらでもなさそうでたまに世話などを任されることもあるらしい。


別に、オレには関係ないけど・・・・


(気になってるわけじゃないし・・・・)


オレは意識を集中させ、授業の方に耳をかたむけた。





授業も終わりオレは椅子から立ち図書室へ向かった。

(今回の授業は回復薬の作り方だった・・・復習しておかないと・・・)


オレはノートを片手にドアを開けた、
すると当然目の前に現れたのは


「アリア?」

アリアだった。 



「あっ、オルファス」

アリアは大きな本を抱えていた。



いつも不真面目でおこられる常連のアリアが・・・・めずらしい光景だった。


「めずらしいな・・・お前が勉強なんて」

「うん、今日やったとこあんまり分かんなかったの」


てへへ、と困ったような笑顔を浮かべるアリア。



「ったく授業聞かないでイチャついてるからだろ?」

「いっ、いちゃついてないもん///」


はぁっとため息をつき、

「オレがおしえてやる、来い」

「いいのー?!」

アリアはぱあっと笑顔をほころばせついてきた。


そんな様子が少しうれしいだなんて・・・・


(馬鹿げてるよな・・・・オレって)













あとがき→
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ