頂きもの

□愛してるというキモチ (ドフ×キド)
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ここはグランドラインの海に浮かぶ名もなき小さな島。
島には見たこともない動物や植物が静かに日常を過ごしていた。
そんな島の海岸近くの大きな家に彼らはいた。


「フッフッフ…キッド」
「んー…」


この家の主、ドンキホーテ・ドフラミンゴと、その恋人ユースタス”キャプテン”キッドがキングサイズよりも二回りも大きいベッドの上にいた。
朝日が部屋のなかに降り注ぎ、小鳥が遠くで鳴いている。
いつもしているサングラスを外しているドフラミンゴはただジッと、キッドを見つめている。
時折キッドの名前を呼ぶと、キッドは眠たそうな声で唸る。それを見て少し笑い、また見つめるの繰り返し。


「キッド…」
「ん…」


またキッドの名前を呼び、彼は目を細める。
それは愛しいものを見つめる優しいものと、大切なものを壊したくないという怯えを含んだ目。
キッドの髪を優しく撫で、独り言を言う。


「キッド、愛してる」

「どうしようもないくらい、愛してる」

「お前が居なくなると、発狂しそうなぐらい、愛してる」

「お前が笑うと、柄にもなく喜んでしまうぐらい、愛してる」

「だれにも取られたくないくらい、愛してる」

「だれにも見られないように監禁したくないくらい、愛してる」

「でも、それをしないのは」

「壊したくねぇから…」

「大事だから」

「全部」

「全部」

「キッド、お前を愛してるから…」


そう言い終えると、ドフラミンゴはゆっくりとキッドの顔に近づいて触れるだけのキスをした。
そしてまたキッドの顔を見つめ微笑むと、ベッドから立ち上がろうとした…その時。
ドフラミンゴは腕を掴まれ、勢い良くベッドに倒される。一瞬何事が起きたか瞬時に理解できなかったドフラミンゴだが、目の前に居る人物の顔を見て状況を把握した。


「フッフッフッフ…タヌキ寝入りとは、悪戯小僧だなキッド」
「最初から起きてるっつーの」
「フッフ、そうか」
「もう少し寝てようとも思ったけど…」


キッドはドフラミンゴの胸板に額をつけ、ボソッと小さな声で言う。


「アンタが、あまりにも寂しそうにしてたから…気になって眠れなかったんだよ」


その言葉に、ドフラミンゴは目を見開いたまま固まった。
キッドといえば、いつも素っ気ない言い方しかしなくて、抱きつこうとすれば鬱陶しがるはずのあのキッドが…そんな考えがドフラミンゴの頭のなかをよぎる。


「なんだよ…なんか文句あんのか?」


そうやって睨んでくるが、その顔は赤く、下からなので上目遣いになって恐ろしくもなんともない。
多分、これがキッドの最大限の"虚勢"なのだろう、そう思うとドフラミンゴはフッと笑い、キッドの身体を思い切り抱き包んだ。


「キッド…愛してる」
「知ってる」
「フッフッフ!知ってる、か」
「フンッ」
「なぁ…キッド」


キッドの耳の傍まで顔を寄せ、甘く、低く囁く。


「お前は、どうなんだ?キッド…」
「〜〜〜っ!耳元で言うな!」


耳を押さえ、睨みつけるキッド。
そして顔をふいと反らして、一言。


「俺もだよ、バカ…」
「!!…フッフッフ」


そして室内に甘い時間が流れだした。






愛してるというキモチ
(フッフッフッフ…お利口さんにはご褒美をやろう)
(昨日も散々ヤッただろうが!!)




+++END+++
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