わけあり少女とわけあり少年
□第16話
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「・・・うーん・・・」
どうしよう。
聞いちゃまずかった、よね。
今の話。
深夜、春奈ちゃんがいないことに気付いた私は、散歩を兼ねて探しに行った。
少し離れた寺の裏にいたので、声をかけようとすると、鬼道ちゃんが出てきて先を越されてしまった。
確か二人は兄妹・・・なんだよね。
じゃぁ邪魔しないほうがいいか。
鬼道ちゃんがいるなら安心だ。
一人で頷き足を踏み出したけど、春奈ちゃんの一言で足が地面に縫い付けられる。
「・・・お母さんとお父さんが事故で亡くなった、っていうのは分かってた・・・」
寂しそうに言った春奈ちゃんの一言。
・・・え?
「頭では分かってただけど・・・ただただ、裏切られたって感じがして・・・。
もしお兄ちゃんがいなかったら、きっと私だってあの子みたいに・・・」
・・・あぁ、なんだ。
春奈ちゃんと鬼道も、両親いないんだ。
・・・私と、一緒なんだ。