わけあり少女とわけあり少年
□第12話
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「**!てめぇどこ行ってたんだ!」
「うるさいハゲ岡!」
怒鳴ってきたハゲに舌を出し、バーカ!と言い捨てる。
「昨日勝ったからって調子乗ってんじゃねぇぞ!!」
「黙れハゲ」
「んだとごらぁ!」
「染岡っ、落ち着けって!」
染岡がヒートアップしてきた時に、ノセ君が後ろから染岡を羽交い絞めにした瞬間、空が暗くなった。
まさか。
「・・・来た」
誰かの呟きで一瞬のうちにあたりが静かになる。
円堂の視線の先を見ると、いた。
「・・・リュウジ・・・」
「レーゼ!!」
円堂君と声が重なり、私の声はかき消された。
どっ!
円堂君がボールを蹴る。
リュウジはそれを片手で軽く受け止めた。
「今日こそお前らに勝つッ!!」
「・・・またお前たちか。
なぜここにいる」
始めて聞く。
リュウジのこんなにも冷たい声。
「俺たちが代わりに戦う!」
「フッ・・・。
地球人の学習能力は想像以上に低いな。
二度も敗れたのになぜわからないのだ。
我々には勝てないと!」
リュージ、いや、レーゼが私たちを見下す。
それに対抗するかのように、塔子がふふん、と強気な様子で笑う。
「宇宙人の想像力も大した事ないね!
あたし達がパワーアップしたとは思わないの?
ほら、***も言ってやれ!」
ぐい、と私と肩を組む塔子。
ぐ、と息を呑み、レーゼを見上げる。
「・・・ふーん、結構弱そうな奴らだね。
こいつらの相手なんて私一人でも十分だ!!」
語尾を強め、
そう、
私はこの、雷門の皆側につくことにした。
私があの時みたいに、皆で笑えるようにするために。
精一杯足掻いてみせる。
抗ってみせる。
戦ってみせる!!