わけあり少女とわけあり少年

□The broken relation
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「っはぁ・・・はぁ・・・・あー・・・」

グランドの隅に座り汗を拭く。
あー、汗臭い。染岡じゃあるまいし。

大体練習キツいってーの・・・。
汗まみれの体を小さくし、ひざに顔を埋める。

・・・もうすぐ、リュウジと戦う。


本音を言うと、戦いたくないに決まってる。

また、皆で遊びたい。

でも、戦わなきゃいけないんだ。
でも、戦いたくない。
リュウジの、皆の悲しむ顔なんて・・・・。


・・・・私は、どうすればいいんだろう。



「***ちゃん」
「ひっ!?」

肩を叩かれ体が跳ねる。
顔を勢いよく上げると、目を見開いた吹雪がいた。

「ふ、吹雪・・・。ビックリした・・・」
「驚かせてごめんね?えっと、染岡君が***ちゃん探してたから・・・」

遠くで染岡の怒号が聞こえる。

「**ー!どこ行きやがった!!練習サボんな!!」
「・・・本当だ。
ごめん、行くね」

「・・・***ちゃん」

立ち上がった私の手をしゃがんでいる吹雪が取る。
吹雪は私を不安げに見上げた。

「***ちゃん、なにか悩んでるんだったら、僕に言ってね。
相談に乗るから・・・」

あれ、顔には出してないつもりだったのに。
吹雪にバレた。

「・・・ねぇ、吹雪。

もしも、私がいなくなったら・・・」

その続きは言えない。

寂しい?なんて言える筈がない。
そんな女の子っぽいこと。

「・・・***ちゃんがいなくなったら、僕は寂しい」
「っ・・・」
「ううん、僕だけじゃない。
風丸君や染岡君、音無さんも、みんな寂しいよ」
「・・・うん。

ありがとう」

吹雪に笑いかけ手を離す。

そのまま振り返らずにグラウンドに向かって走る。

・・・・決めた。


私は―――

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