わけあり少女とわけあり少年

□第8話
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特訓が終わり、白恋中の校舎に帰ってきた私たち。
なんかご飯くれる、って言ったから一応私もついてきた。

「あー・・・いっててて・・・。
風になるのって大変だな」
「しっかりしなよ。
あたしは段々コツが分かってきたよ」

肩を抑えて呻く円堂に塔子が笑って話しかける。
そーいえば後半塔子凄い上手かった。

「うん。
塔子さん、筋がいいよ」

吹雪も笑って話す。
私はというと、できない4人に教えていたため、あまり滑らなかった。

「・・・問題は全身のバランスの取り方だな」
「あぁ。スピードに乗る感覚さえ掴めば、一気に世界が変ると思うぜ」
「え?鬼道ちゃん、かなり上手かったじゃん」
「ちゃんをつけるな**」
「あ、でも土門の言ったこと、あたしもわかる!」

みんなでわいわい話していると教室についた。

「飯の匂いっすー!」

さっきまでフラフラしていた壁山が急に元気になり、教室に走って入った。

「え、えぇ・・・!?
これだけ〜?」

壁山のしょんぼりとした声が聞こえたので私もご飯を見てみる。

「んー、ちょっと少ない、かな・・・」
「そういえば***ちゃん、あんまり食べないのに、回数は多いよね」

他の人から見れば、夕飯はかなり量が少ないようで皆の肩が落ちていた。

ちなみに、この量とメニューは監督の指示らしく、筋力アップの意識をしたらしい。
更に、一度口に入れたら30回、噛まないといけないらしい。
めんどくさい・・・。

「吹雪、家帰ったらデザート欲しい」
「はいはい」
「そ、それって!!
***先輩と吹雪さん一緒に住んでるって事ですか!?」
「おおぅ、春奈ちゃんいつのまに」

食べながら吹雪に話しかけたら春奈ちゃんが近くに居たようで、食いついてきた。

「えー、と、うん。
吹雪とは親戚だから」
「そうなんですかー!
吹雪さん、頑張ってくださいね!」
「うん。僕も頑張ってるんだけどねー」
「何をー?」
「***先輩にはわかんないことです!」
「だね」


二人して何を盛り上がっているんだろう。
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