short 2

□みしり
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ライモンシティ、ギアスステーション近くの街路樹。



高い木の枝の上にはへっぴり腰で震えている、ヒトモシがいる。
怖がりながら今もなお鳴いている。
周りを見ても忙しそうに通りすぎる人たち。
ヒトモシのことは見てみぬふりだ。
たまに立ち止まる人はいるも、名残惜しそうに立ち去っていく。
一回立ち止まったんなら助けてやれよ。

それまでベンチにて傍観していた私は腰を上げる。

さて・・・

ん、と伸びをして軽く準備体操。

助けますか。




ノボリの目を盗んでギアスステーションから抜け出した!
たまには気分転換しないとね、うん!
気分よく歩いていると、人混みを発見した。

なんだろう?

近づいてみると、高い木の枝の上にはヒトモシ。
そして木の枝にしがみつきながら、必死にヒトモシに手を伸ばしている女の子。

この距離では届かないと思ったのか、女の子がみし、みし、と音を鳴らしながら細い木の枝を這いずり進む。
そのたびに声をあげるひとたち。

「頑張れー!」
「あともうちょっと!」

みしり
一際大きな音をたてた木の枝。
直感でボクは人混みを強引に掻き分け、木の下まで走る。

バキッ

いくつもの悲鳴が響く。
女の子は枝が折れる寸前に飛び出し、ヒトモシを抱き締めた。
女の子はヒトモシを傷つけないためか、地面に背を向けるように回転した。
そしてボクは・・・
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