嫌われ

□待っている
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お昼休みが一番のんびりできる。
例の木の上でのんびりと野菜ジュースを飲む。
紫の野菜ジュースうめぇ。

ちなみにここは呼び出しで有名なところでもある。
あそこに呼ばれたら行かない方がいいと言われてるところ。
お陰で女子の醜い争いが見れるわけです。
もちろん一方的な物や理不尽な物は止める。
正義面とか偽善者って訳でもないけど、前無視してたら暴力に発展したので止めることにした。
もちろんただの喧嘩は勝手にやってろや、って感じなんだけどね。

紫の野菜ジュースをジュゴゴと汚い音と共に飲み干し、コンビニ袋にしまう。
そういえば源田達もお昼だ。
なんとなく携帯を取り出して掛けてみる。

『もしもし、*か?』
「…あれ、じろくん。
間違えました」

源田に掛けた筈なのなぁ。
首を捻りながら切ろうとすると、携帯からじろくんの焦った声が聞こえた。

『待て!
間違えてないから!』
「あたし源田に掛け『佐久間!返せ!』『うるせぇケチケチすんな!』…おっけ、把握」

勝手に源田のスマホ取った系ですね、はい。
源田とじろくんって今をときめくスマホなんだぜ。
ずるい。
ガタガタとか布が擦れる音とかようするに変な音と共に知らない声が聞こえてきた。

『よぉ、あんたが鬼道*チャンか?』
「………お掛けになった番号は現在使われておりません。ピーという発信音の後にメッセージをお残しください。ピー!」
『おい佐久間クン、こいつ馬鹿なのか?』
『不動!返せ!
あと*は馬鹿だ!』
『だから、それは俺の携帯っ…!』

じろくんなんて知らない!
不機嫌になりながらも通話は続ける。

「はい馬鹿です。
あなたは誰ですか」
『俺は不動明王だ。
よろしくなぁ馬鹿』
「不動ハゲオくん。
聞いたことあるよこのハゲオ、おーばー?」
『失礼なこと言いやがるなこのアマ…!』

めしっと音が聞こえる。
源田のスマホ壊れるぜ。
実際不動明王という人物は知っている。
イナズマジャパンのときにMFやっていた人だ。
有人に聞いた。

『…*、不動が俺に源田のスマホ投げてきた』
「あーうん。今度謝る」
『そうしてくれ。
で、どうした?』
「うん?
ふと源田のオレンジ思い出して声聞きたくなった。
同時にじろくんのサラサラな髪の毛も思い出したよ」
『だってよ源田』
『なにも聞こえなかったんだが』
「あぁあとね、
迷惑かけたらごめんね、って言おうと思ったの」

途端に向こうが静かになった。
あたしは木から飛び降りて着地してから携帯に向かって謝る。

「ごめんね、急に。
また落ち着いたら電話するよ、ばぁい」

じろくんに断りも無しに通話を切る。
ついでにサイレントマナーに設定して携帯はポケットの中へ。
あーお腹すいたぜぃ。
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