嫌われ

□ すべてを許した
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風丸と話ながら教室に入ると水無瀬さんに睨まれた。

いや、
見間違えだ。
気のせいだ。
自意識過剰だ。

小さく頭を振って席につく。

「*ちゃぁん」

少し鼻につくような甘ったるい声があたしにかけられた。
サブバックから筆箱を取り出しながら「なにー?」と返す。

「あのねぇ、昨日の話、言ってくれたぁ?」

体が跳ねそうになった。
なんとか耐えてサブバックのチャックを閉める。
ついでに水無瀬さんの方へと体を向けた。

「えっと…実はね、サッカー部のマネージャーってあたしをいれて四人いるの。
一人は留学中なんだけど…。
だからこれ以上はいらないって有人が」

言って、という言葉は飲み込んだ。
いや、強制的に飲み込まされた。
水無瀬さんが凄い顔をしていたからだ。
凄く顔をしかめてあたしを睨んでいた。
でもそれは一瞬で、すぐに元の表情に戻った。

「……そっかぁ残念だなぁ……」
「っ、あ、ご、ごめん、ね」

急いで体を前に戻す。
手がカタカタと震えている。
なんだろう、嫌な予感がする…。



まぁその嫌な予感が当たっちゃうんだけどね
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