嫌われ

□羨ましくて
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「みなさーん!休憩ですよー!」

春奈ちゃんが元気よく声をかける。
あたしは秋ちゃんと一緒にドリンクを運んできた。
タオルは春奈ちゃんが持っていってくれたので助かった。
てかドリンク重い。

「やっと休憩でヤンス…」
「喉カラカラっス…」
「お疲れ」

あたしが一年生二人にドリンクを渡すと驚いた顔をされた。
というかビビった顔。

「あ、ありがとうございますでヤンス!」
「すすっ、すいませんっス!」

二人はあたしからドリンクを受け取ると、苦笑いしながらそそくさと春奈ちゃんのもとへと走って行った。
タオルをもらうためか、それともあたしから逃げるためか。

うん、両方だな。
むしろあたしから逃げるという理由の方が大きいか。
髪を一束すくってじっと見る。

「…染め直そうかな」

作られた金色に、一束の作られた赤色のメッシュ。
あたしの憧れのアーティストとまったく一緒の髪色。
なんだかあたしさえ作られているような。

「*?」

いきなり声をかけられて肩がはねあがった。
いつの間にか俯いてたらしく、顔を上げると風丸がいた。
手にタオルを持っている。

「あ、えっと、ドリンク?」
「あぁ」

慌てて籠に入っているドリンクを一本渡そうとして、守君のボトルということに気づき、風丸のボトルを手渡す。

「サンキュ」
「うん」

風丸がドリンク片手に染岡のところに行く。
染岡はもうドリンクを持っていた。
秋ちゃんからもらったのかな。
守君がボール片手に来たのでドリンクを緩く投げて渡した。
朝のお返しだ。
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