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次の日から俺は神ノ御の観察を始めた。
朝はどうやら苦手らしい。
チャイムとほぼ同時に慌ただしく席に着き、うるさかった。

「おはようさん」
「え、あ…お、おはよ」

俺が挨拶をしただけでキョドる神ノ御を横目に携帯を開いた。
そう言えばまともに挨拶をしたのはこれが初めてじゃ。
そう気づいたのは数分後のこと。

午前の授業。
どうやら教科書は届いたらしく、俺にまったく話しかけてこんかった。
それに少しイラついた。
俺が神ノ御を見ても、こちらに視線をよこしやしない。
今まで感じたことのないほどの苛つきを我慢できず、四時間目は保健室で寝た。
昼休み。
保健室から戻るとさっさと鞄を持ち、うるさいブンちゃんと教室を出る。

もうやめじゃ。
つまらん。あいつを観察しててもイラつくだけじゃ。

そう判断し、昼休みはずっと屋上にいたため観察なし。
新しく入ったらしいマネージャーが腕に絡んできた。
ウザかったので口だけ笑わせ、触るなと呟いた。
マネージャーはそのあとすぐにやめたらしい。
だが俺の知ったことじゃない。

昼休みの終わり、あいつが話しかけてきた。

「四時間目、いなかったけど大丈夫なの?」
「…別に大丈夫じゃ。
ただ気持ち悪かっただけじゃ」
「言っておくけど大丈夫じゃないに、それ」

けたけたと笑う神ノ御。
なにがおかしいのか分からない。

「まぁ大丈夫ならいいや」

そうして笑った神ノ御の顔は屋上で見たのと同じ、人懐っこそうな微笑みだった。
どくりと心臓が暴れ、たまらず神ノ御から目を反らす。


まさか、まさかのぅ。
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