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「サイド固めろ!」
「パスパス!」

泥臭いグランドでたくさんの人が走り回っている。
ドリンクを運び終え、タオルを持ってこようとしたらドン、と誰かにぶつかった。

「わぷ」
「っと、すまない」

尻餅をついた私に手を差し伸べてくれる・・・涼野先輩?

「いえ、こちらこそすいません」

ありがたく手を掴んで起き上がり、付いた砂を適当に払う。
涼野先輩があきらかに、私のことをジーっと
見てたので思わず「なんですか?」と聞くと

「成程。ヒロトが君を気に入るのが分かったよ」

と言ってきた。

「はぁ」

と適当に返すと涼野先輩は私の顎を掴み

チュ

キスしやがった。
ホッペだけど。
キスしやがった。

「・・・なにしやがるんですか」
「おもしろい言葉使いだね」
「お褒めにあずかり、光栄です」

このとき私は薄々感じていた。
あぁ、変態が二人に増えた、と。
そしてそれは当たっていた。
・・・とても残念なことに。

「私も君が気に入った。
君は今から私の彼女だ」
「・・・とりあえず。
死んでください」
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