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家から出て一秒も経たないうちにため息が出た。

『・・・毎日毎日なんでいるんですか』
「愛ゆえだよ!」
『とりあえず死んでください』

マフラーを巻きなおして歩き出す。
すると当然のように基山先輩も着いてきた。

『着いてこないで下さい』
「同じ学校だから無理かな。
それに、君と愛を育みたいからね!」
『育む以前に生まれてないから無理ですね』
「つれないなぁ」

あぁ、五月蝿い。煩わしい。
会話が成り立っていないことを自分で気付いて欲しいものですね。

「全部口に出てるよ」
『あぁ、ワザとですから問題ないです。
あと、さり気なく手を繋ごうとしないでください。本当最低ですね』
「もぅ、素直じゃないなぁ」
『もうとか言わないで下さい、気持ち悪いです』

この人が私に付き纏う様になったのは、三週間前から。
友達に無理やりサッカー部のマネージャーにならされた日から。

不幸なことに、基山ヒロト、この煩わしい人もサッカー部員だった。

初日の帰り道、一緒に帰ろう、と誘われて特に断る理由もなかったから、了承した。
話してたらいきなり

「俺、君のこと好きみたい」

とかなんとか言われた。
当然断った。
こうゆう、顔がいいからって女が誰でも釣れる、って思ってるような奴は好かない。

そしたら次の日から纏わり着いて来るようになった。

以上。ウザイので回想終わり

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