嫌われ

□憎らしいほど
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水無瀬さんは授業中もちょいちょい話しかけてきた。
周りとあたしの迷惑考えようZE。
授業が終わり、水無瀬さんに話しかけられる前に素早い動きで教室を出た。
疾風ディフェンス風丸もビックリするほどの動きだったと思うよ!


有人の教室のドアから教室内を覗く。
キョロキョロしていると肩を叩かれた。
首を動かすとふに、と指が刺さった。

「え」
「あはは、やっわらかー」

さらにふにふにとつつかれる。

「えっと、なにをしてるんだい、マック」
「マックじゃなくてマックス!」

あたしの頬をつついたのはマックこと松野空介。
今日も猫耳帽子が可愛い。

「なにしてんだ、鬼道」

マックスの横から真くんこと中途半・・・半田真一も来た。

「えーと、有人探してるんだけど、いると思う?」
「俺に聞くなよ」
「ボク呼んでこようか?」
「あ、よろしくマック」
「マックスだって」

苦笑いしながらマックがおーい鬼道ーとやる気のなさそうな声で教室に入っていった。

「マックのあの帽子可愛いよねー」
「そうか?」
「うん、猫みたいで可愛い」
「猫耳帽子だからな」
「それに比べて半端君は特に特徴ないよね」
「半端って言うなぁぁ!」
「大丈夫。そこが君のいいところだよ!」
「中途半端に慰めんな!」
「自分で中途半端って言っちゃったね!」
「お前が言うからな!!」

畜生!と頭を抱える真くん。
この子を弄るの凄い楽しい。

「半田、大丈夫か?
教室にまで聞こえて来たぞ」

真くんに声をかけながら有人が眉を潜めてやって来た。
マックはくすくす笑っている。

「大丈夫だよ、真くんは中途半端に強い子だから!」
「うわぁぁあ!!」

真くんは叫びながら廊下を走って行ってしまった。
そのあとをマックがニヤニヤしながら追いかける。
あれはもっと弄ろうとしている目だった。

「で、なにしにきたんだ?
今日は水曜日だぞ」
「ジャ○プ目当てじゃないよ。
えーと・・・転校生の子がマネージャーになりたいって言ってるんだけ、ど・・・どうすればいい?」
「マネージャーは今お前を入れて三人もいる。
雷門が帰ってきたら四人だ。
もう必要ないだろ」
「あ、じゃぁあたしが」
「そういえば担当の医者に聞いたぞ。
マネージャーをやったらプラスになったらしいな」
「個人情報を!」

ふん、と有人が笑う。
今度豪炎寺先生に注意しなければ。

「そういうことだ。
放っておけはいいだろう」
「わかった。有人が『捨て置け』って言ってた、って言う」
「恥をかくのは*だがな」
「あ、有人待って待って」

有人が戻ろうとしたところを止める。

「悪いんだけど、英語の教科書貸して」

有人は嫌そうな顔をしながらも貸してくれた。
やったね!

あのねあのね、よかったね*
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