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□AM02:00
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『臨也が帰ってこないの、なんで?』
わけがわからずにシズちゃんに電話をかけた。
この部屋に一人。広い部屋も広いベッドも広いソファーも、何もかもが寂しさを募らせた。胸にぽっかり開いた穴は塞がるどころか広がっていく。
『なんで…帰ってこないのかな…』
「なんでってお前…あいつとは別れたんだろ」
シズちゃんの言ってることがいまいちよく分からず眉をひそめる。
電話越しに彼の小さなため息が聞こえた。
「いいか?よく聞け。ノミ蟲とお前はもう恋人じゃないんだ。だから帰ってくるはずねえんだよ」
『…なに言ってるのか分からないよ』
そんなはずない。別れてなんかない。
『違うもん』
一方的に通話を切り、携帯を投げ出してベッドの上にうずくまる。
臨也は戻ってくるんだから。ただいまっていつも通り玄関の扉を開けて。
だけどどれだけ待っても彼は帰ってこない。
1時間経っても2時間経っても、この広い空間には私だけだ。
わけがわからずに投げ出した携帯を手に取り、電話帳から静雄の文字を探した。
『臨也が帰ってこないの…なんで?』
―
臨也と別れたことで心が壊れて同じ事を繰り返す夢主ちゃん。
で、シズちゃんがどんなに言い聞かせても別れた事実が分からない認められないみたいな。
なんだかよく分からないのでごみ箱行きです。