サイケとわたしと臨也くん
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『……バグ?』
サイケがうちに来てから2日が経ち、ようやく臨也くんから詳しい説明を受けることが出来た。
臨也くん曰くサイケは元々臨也くん信者のうちの一人にプレゼントされるものだったらしい。
それにバグが起こり、信者の子になつく筈が私のところに来てしまったようだ。
『そもそもアンドロイドを作って信者の子にあげる時点でおかしいよ』
「いやー…だってあの子は色々と厄介でね。俺が自分のものになったらもう迷惑かけないって言うから」
『その子はアンドロイドが欲しかったんじゃなくて臨也くんが欲しかったんでしょうが!さっさと貰われてこい!』
「そういうわけにもいかないじゃない」
臨也くんは小さくため息をついてソファーに腰をかける。
拗ねたように唇を尖らせてから思い出したように「そう言えば…」と口を開いた。
「アンドロイドはどうしたの?」
『頑張ってお家に置いてきたよ。街中で色々されるのは勘弁』
「…色々?」
サイケは子供のように1日中べたべたとくっついては離れないのだ。
私にも仕事があるし、少しの間だけだから離してと言えば仕事なんて辞めればいいよと笑顔で返される。
連れていこうにもあっちに行きたいこっちに行きたいと騒ぐのでなかなか外には出せない。
『…未遂だけど、キスしてみたりお風呂を覗いてみたりして大変なの。街中で何かされたら困る…』
臨也くんの顔が微かにひきつる。
やっぱり自分の顔で好き勝手されるのは御免なのか。
『とにかくどうにかしてください』
「俺が引き取ろうにもどうせ結衣に引っ付いて離れないだろうし、俺自身も同じ顔のやつと暮らしたくないしね…」
どうしようね、とか言いつつまったく興味のなさそうな臨也くんに軽く殺意を覚える。
どうせ引き取る気なんて更々無いんだろう。
お前なんてさっさとシズちゃんに自販機でぺたんこにされてしまえよ。