妖怪時計倉庫

□出てきて、私のともだち!
1ページ/5ページ

(とにかく愛でたいオロチと鵺(ぬえ)の女の子の話)
(せ、せつあま?)


「鵺、饅頭を持ってきてやったぞ」
「わぁーい、あちき饅頭大好きー!」

「鵺、髪が崩れているぞ」
「直してくれてりがとう、オロチ」
「仕方のないやつだ」

「鵺、何かしてほしいことはあるか」
「・・・無いよ。」
「強いて言うなら、オロチにそばに居てほしい、かな」

「鵺」
「オロチ」




「・・・ごめんね、オロチ」

「あちきが封印されてなければ、もっとあちこちに行けるのにね」

「あちきは祠のあるこの洞窟から出られないもんね」


「見た目が恐ろしい」「縁起が悪い」
それだけで封印されたあちき。

でもあちきは、人間と仲良くしたかった。
だから頑張って人の姿に化けたのに。



「この鵺は人に化け、我々をたぶらかそうとしておるのじゃ!」



その言葉で、あちきは封印された。
逃げる暇すら与えられず。



「どうした、鵺」
「・・・なんでもないよ」


あちきを抱きしめるオロチのぬくもりに包まれながら、

あちきは自分の生まれを呪った。




あちきがもっと普通の妖怪だったなら

すねこすりや小豆洗いのように、ただただ無害な妖怪だったなら


オロチはきっとあちきなんかじゃなく、他の妖怪と幸せになれたはずなんだ。


・・・そう考えたら、何だか悲しくなってきちゃった・・・。


顔をわずかに曇らせた鵺に気付き、
オロチは、ぼそりとこう言った。

「・・・何を考えているかは知らないが」
「私は鵺といて、不幸だと考えたことはないぞ」
「私はお前と居たいから、ここに居るだけだ」


すっ、と頭を撫でられ、
そのやさしさに、鵺は涙を流した。




「ありがとう」はいっぱいの愛で返すから!





オロチさん口調わかんない。

とにかく大好きだから愛でたくてそばに居るっていう感じ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ