大友宗麟観察日記!
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低血圧とは、かなり不便である。寝起きの機嫌とテンションは最低点にある。
そして、怒りの沸点は異様に低くなる。
『…………え?』
闇の中で目を開けると、前に誰かがいる。見覚えのある姿に、顔をほころばせて近寄った。
『お兄ちゃん?』
「………………」
『……お兄ちゃん、やっぱりお兄ちゃんだよね、帰ろうよ』
「………………」
『今日はあたしが料理作るからね?楽しみにしていてよ!』
「……………」
テンション高く話しかけるが、兄は全く反応をしてくれない。
『…………お兄ちゃん?』
急に後ろを向いて歩いていく。なんで?待って、待ってよ!!
『待ってお兄ちゃん!?』
走るのに、届かない。呼び掛けてもどんどん距離は開いていく。
なんで?なんで?
『お兄ちゃん!?……………あ』
「おや、お目覚めですか」
叫ぶように目を覚ましたら、目の前に居るのは、お兄ちゃんではなく明智……じゃなく変態だった。
「おはようござ『なんであんたが居る』
「朝ですから、起こしにきました」
『ほう、じゃあなんで布団の中に居るんだお前は』
なんだ、この状況は。
今人が来たら、確実に誤解を招くよな?あたしの布団に入り込んだこいつはのんきに言った。
「いえ、うなされていたので、助けてあげましょうかt『悪夢が邪神夢にアップしたわボケえええええええ!!!?』
華麗に蹴りをプレゼントしつつ、紫智は頭を抱えた。
なんで変態なんかに好かれたんだ、あたしは。一話前に戻って未来を変えたい。
「………そんな貴方も、やはり素敵ですよ」
『着替えるから出てけ』
蹴飛ばしたついでに、襖を閉めて、寝間着から着替え……。
『そこかっ!』
「お見事!」
『今の間にどうやって天井に登ったああああ!?』
枕を投げれば、正解と言うようにさっきとズレた天井の隙間から、変態明智が出てきた。
『着替えくらいまともにさせろ!!』
「だが、断ります!」
『お前そのネタ知ってるだろ!?』
朝から一気に疲労が増した気がした………。
「朝ご飯は?」
『あんま……いらない』
「でしょうね、軽いものを頼んでおきました」
『…………どうも』
織田には、拒食がバレているのか、食事であまり量がでなかったな。最近は力を使わない今は、少し改善してきているが。
「白湯はどうですか?」
『いや、いい』
「そうですか」
短い会話を終わらせて、紫智は滅多に減らない腹に少量のおにぎりを食べて入れる。
すこし食べただけで、食べる気は失せてはきたがおにぎりは美味しかった。
『はぁ…………』
「大変ですね、貴方は」
『誘拐した奴らの言う言葉か?』
「貴方は優しいですから、逃げれませんし」
『だから、それを利用したんだろ?』
もう過ぎたこと。今は織田に行き目的を暴いて、一泡吹かせてやりたい。
「協力しましょうか?」
『心を読むな』
やはり、信長よりも今はこの変態明智をどうにかしたい。
今日何度目かのため息を、大きく吐いた。