大友宗麟観察日記!

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「紫智、何しているんですか?」

宗麟が部屋を覗くと、紫智は筆を動かしつつ、机の上の紙を見ていた。

『ん?某さんと家康からの手紙の返事』

「…………某?」

『うん、某さん』

「誰ですか、それ?」

『まあ、毛利軍の知り合いかな』

紫智は知らない間、色々な方と知り合ったようです。
兄としては複雑です。

『何かあったの?』

「…………」

『塩法師丸?』

「なんでもありません」

『そうか』

複雑そうな顔をした宗麟だったが、顔を振りながら紫智の隣に来た。

『塩法師丸ーあたしはそろそろ外出した「駄目です」

『外「駄目」

『そ「駄目ったら駄目です」

『………I want to go away「Don't go away」

小さな南蛮攻防戦が繰り返された、が宗茂や信者のみなも反対するから外出できずに、監禁に等しい。レガートさんに至っては、
「紫智様、外出はいけません!紫智様にもし倒れられたら私は」
って、ガミガミ言われた。

『痩せたくらいで、いいじゃんかよ』

「昨日もあまり食べませんでしたね、宗茂から聞きました」

『腹減らないの』

「食べなさい」

『人の後ろで爆睡した兄を置いては食べれませんでした』

「それはそれ、これはこれです」

『うわ、自分勝手だ』

「僕の辞書に自分勝手はありません」

『もういいわ』

やっぱ、こいつの前世は聖徳太子だ。結局一度も起きなかったくせに。

『じゃあ、何時なら出れるんだよ』

「もう一週間位ですかね、城下にも紫智は療養中といってあります」

『一週間か』

「どうかしましたか、退屈すぎだ言いますか?」

違う、あと六日しか無い。
時間が無いだけだよ。
何も知らない宗麟に笑いながら頷き、安心させた。

『なら、じっくり休みますかな』

「道場も駄『さあ、行きますか!』

「紫智ーーーー!!?」

『じゃあ!あたしはそういう事で!?』

「っ宗茂!!!」

「はい!」

『ぎゃあああああ!?宗茂さん何処から出た』

「「オレ達もいまーす」」

「紫智様!無理は絶対にいけません!!」

『ピッチャー&キャッチャーにレガートさん!?』

脱走だよ、全員集合かよ!
みんなスタンバイしてたのか、ありえねぇ!?

『逃げる!』

「「待てーー」」
「「お待ちください紫智様!」」
「待ちなさい紫智!」

『嫌だああああああ』

走り逃げる、追いかけて来る後ろの大群。
捕まったら絶対に三人に怒られる。(塩、宗、レ、の三人に)

嫌だ。
体が鈍ったら一週間後に備えられない。

『今は、鬼ごっこで我慢してやるさ!さあこい!』

「待ちなさーーい!」

『忍法、天井へGO!の術』

「あー!!?紫智様危ないです」

紫智は大きく飛び、天井裏へ逃げ込んだ。

「宗茂!早く紫智を捕まえなさい」

『じゃあねーー』

「お待ちください紫智様ああああ!!?」

見えなくなった紫智を追うために、慌てて信者達が梯子を取りにいく。

「紫智、覚えていなさい…………ふふふふふ」



『っ!?』

寒気が………いやな予感。まあ、今のうちに早く逃げよう。勝ち逃げ勝ち逃げ。

『「……………あ」』

天井には、忍び。

これ常識らしい。
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