大友宗麟観察日記!

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一方紫智は、

『毛利さん、お手数おかけしました』

「これも愛の導き、愛の為人を助けるも悪くはない」

誰か、今すぐ私をタスケテクダサイ。サンデー毛利が怖い、いろんな意味で怖すぎる。

『私のことは紫智でけっこうです』

「我はザビー様より、そなたのことを聞いておる。安心するがよい」

『あ、そうだったんだ』

「………そなた、変わり身が早いと言われぬか?」

『ははっ』

「………まあ、よい」

敬語使って損した。ついでにここは俺を回収した毛利の船で、今は毛利の部屋ですよ皆様。
羨ましいだろ?

……替わりたいなら替わってくれよ。サンデー毛利は恐怖なんだよ!!

『今から大友に?』

「まず、ザビー様の待つザビー城に。それから大友に向かう」

『…マジで?』

「マジだ」

ザビー城って、今あたしが行きたくないランキング1位だよ。なんだか涙が軽く出てきやがるちくしょう!

「泣くほど嬉しいか、我もだ」

『そうですね』

泣くほど悲しいわボケ。
悲しすぎて船酔いが治まったわコラ。そんなあたしの心情知らずか、毛利は機嫌が良かった。

『毛利さん………でいいっすか?』

「好きに呼ぶがよい、さんはいらぬがな」

『どっちだよ!しっかりツンデレは健在なのね』

「………つんでれ?なんぞそれは?」

『気にしないで、こっちの都合だから』

「………?」

不思議そうにしている毛利を放っておき、窓から外を見た。


家康、ごめん……。

毛利軍がいたから、とっさに聖女のあたしになった。家康は、あたしに裏切られたとでも思ったかな?

『……これも大友の為、みんなの為なんだ』

なら、ずっと胸が痛むのはなんでなんだ?これは、なんて気持ちなんだ?

「気分が優れぬようだな」

『いや、なんでもないから気にしないで』

「無理をするでない、顔に書いてあるわ」

『え?無理ってデコに書いてあった?』

「書いてあると思うか?」

『はい、ごめんなさい』

ですよねーっと、ケラケラ笑えば、呆れたようなため息が聞こえた。
無理にテンションを上げようとしたが、うまく笑えなかった。

『そういえば、あたしの部屋はあるんですか?』

「用意させておる、我が案内をしよう」

いやいやいやいや、そんな毛利ファンに暗殺されることできないから!!

『いやいや、別に場所を教えてくれれば』

「すぐそこだ、それとも我だと不服か?」

『いやそれなら、お願いします』

毛利が立ち上がると、オレもすぐにあとに続いた。

途中、廊下で毛利の部下達に会ったけど、やっぱりサンデーモードの毛利に目を丸くしていた。
やっぱりねー。

『っ広!?』

「これくらい普通だ」

毛利軍の皆様ーーごめんなさい!!贅沢してごめんなさい!
普通の部屋を想像していたのに豪華でした!ありえねえ!?

「夕食になったら呼ぶ」

『どーも』

毛利が部屋を出たのを確認したら、紫智は近くの椅子に座った。



家康、ごめん。
だけど大友は、オレにとって大切な陽だまりなんだ。守りたい、大切な家族がいるんだ。

だから、あたしは止まらないし譲らないよ?未来を変える為なら、容赦はしないからな?

大友紫智、守るために力を奮おう。
笑いあえる未来の為に、オレは戦おう。


もしも、
生まれ変われるのなら、
その時こそ平和な世で、
あたしと遊ぼうな?

『だから、この乱世のあたしを憎め』

この乱世に生まれたあたしを恨んでくれ。憎しみも悲しみも、すべてあたしに押し付けてくれ。
その代わり、あたしは一歩もあたしの理想を譲らない。邪魔をするなら、家康でも許さない。

『家康、あたしらはどんな未来に行くんだろうな?』

自分の未来を覗いてみようと思ったが、止めた。

あたし様には、必要ないからな。
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