大友宗麟観察日記!

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「オカエりなサーイ紫智チャーン!」

『ただいまー………ってここあたしの家じゃねえから!?』

「細カイコトー言っちゃダメだよー」

『大きすぎるわ!』

「貴様、馴れ馴れしいぞ!!」

『ちょ、だから近いって、よるな!』

「気ニしないー紫智チャンダカラねー」

「そうなのですかザビー様」

「ソーダヨー」

『あれ?なんかイラついた』



大友聖女観察日記!



『ザビー城……とうとう来たか』

「ザビー様!ただいま帰りました」

さあ、テレビの前のみな様御覧ください!ザビー城ですぜ!
初めての方、モザイクをかけて見ることを推奨いたします。貴方の為です、主に貴方の頭痛と頭の為にな。

隣で爽やかに笑う毛利と一緒に、ザビーのいる奥の部屋までやってきた。
帰りてえ……。

「タクティシャーン、ありがとネー!」

「ザビー様、もったいないお言葉を……」

『ザビーさん……毛利は中国の武将じゃなかった?』

「サンデーはー愛に目覚メタ、ソルジャーデース!」

『…………鬼島津のじっちゃんは?』

「チェスト島津モー、ソードマスターになりましタヨー!」

『じっちゃーーん!カムバーーク!!』

ここに居ない、島津のじっちゃんに向かい紫智は気合いの限り叫んだ。
誰だ………誰が島津のじっちゃんの、ピュアハートを利用したんだ。

ああ、この頭の中心ハゲガッパか。

「紫智チャーン、大変ダッタデスネー」

『いえいえ、すごく楽しかったっすよ』

「本当にヨカッタデース!無事でザビー嬉しいネ!」

『ありがと、ザビーさん』

ザビーは不器用に日本語を使い、むかつく笑顔で、あたしを迎えてくれた。何でか知らない、だけど少し安心した。

普段はウザいだけなのに、一瞬だけ安心したあたしに同時に吐き気がした。ザビーだぞ?ザビーなんかにはさすがに安心しちゃいけないだろ?

「マダ危ナイから、少しココニ居ルといいヨー」

『まあ、保護して貰っているんだし仕方はないか』

「塩法師丸にーお手紙カクトイイネー!」

『りょーかい!』

もうすぐ、帰れる。
宗麟、我侭ばっか言ってないかな?
宗茂……胃を痛めていなきゃいいけど。
奥さん、絶対に元気だな。

「ココー自分の家ってオモッテじっくりシテ行くとイイヨー」

『ゆっくりね?あたしはじっくり何したらいいの』

「ソレソレ、ユックリねー!」

『相変わらずだなあ、ザビーさん』

「サンデー!紫智チャンの事オ願イネー、紫智チャン狙うヒト、いっぱいイルヨー」

「わかりました、ザビー様」

「チェストにもー私カラ言ウヨー」

『あのー……すんません』

「我が責任を持ち、そなたを守ろう」

「紫智チャン、アンシンし『聞けカッパ』

「カッパじゃないヨーーー!」

『聞けっつっただろ、頭の毛全部抜くぞこら』

「コノ子、時々怖イヨ」

『もう慣れて』

いつもの寝起き以上の不機嫌な顔をして、
紫智は二人を見た。守ってもらうはしかたない、だけど勝手に決まる事は嫌いだ。

『始めに言うけどさ、反対は認めないから。今日からあたしはここで訓練をするから』

「……それで、そなたの考えはなんだ?」

何かを見透かすように毛利はジッとあたしを見据えた。あたしは二人を見てニッと笑った。そんなもん答えは簡単だろ?

『そんなもの、このあたし自身が強くなるためさ!』

「……それだけか?」

『あたしは剣の腕も井の中の蛙で弱い、毛利さんのような優秀な頭もない。だから、もっと、もっと強くなって守らないといけないんだ』

守る為に強くなる。単純だけど、あたしが強くなる理由にはちょうどいいだろ?
大友を守らなければ、もっと強く、攻められないような強い大友にならなければ。

「危ないヨ!紫智チャン!ダメ、絶対ニ駄目ダヨ!」

『拒否は認めません、もし邪魔するなら………』

「邪魔スルナラー?」

『………今日からザビーさんの毛根死滅運動をするように、1日1本ずつ抜きます!!』

「ダメーーーー!!!ソレだけは駄目ダヨー!!」

『なら許可しろ!さあ今すぐにな』

「でも駄目ダヨ!」

『なら抜くぞ!』

「駄目ヨ!」

『なら、あたしが勝手にやるだけですよ!』

まるで父と娘の喧嘩のように騒いでいたら………いや、これが父親は悲劇だな。カッパと言い争っていたら突然、大きな音を立ててあたし達がいる部屋の扉が開く音がして、あたしは驚いてそっちを見た。

「紫智ちゃん、おまはんの心を聞かせてもらったど!」

『あ、島津のじっちゃん』

奥からは島津のじっちゃんがいつも使う大剣を担いでやってきた。豪快に笑いながらこちらに近づきて、乱暴に頭を撫でてくれた。

『お久しぶりですね、じっちゃん!』

「大きくなったな、前はこんなちっこかったね」

「………ちっこかった?」

『小さいってことだよ』

方言の意味がわからずにいる毛利に、あたしがフォローを入れた。
方言って難しいよな?山形って

「宗茂どんは元気かね?」

『はい!宗茂さんは胃、以外は大丈夫です!』

「ん?なにかの病気かね?」

『いや、ストレ……えーと精神的疲労です』

なんかストレスって、日本語にすると病気みたいだな。
宗茂さん……大丈夫かな?

「ザビー様、おいが紫智ちゃんの剣の相手になるど!」

「ソードマスター!?ドウシタノ!」

「紫智ちゃんは優しく良い子たい、紫智ちゃんなりの理由があるに決まっている」

『じっちゃん…』

「ザビー様、我も賛成です」

『毛利!?いいの?』

明らかに反対そうな毛利に目を見開いた。
毛利が賛成した事自体に、紫智は少し驚いてそちらを見た。

「……我も守るために強くなったのだ、紫智の心は理解できる」

『ザビーさん、お願いします』

ウーンとか、声にだしながら考えるザビーに、本当なら下げたくない頭を下げながら頼んだ。
これで断ったら、毛根死滅作戦を開始する。

「……絶対ニ、無茶ハ駄目ダヨ?」

『………Thank Youザビーさん!二人も、本当にありがとう!』

「しっかり稽古つけるど、頑張るんじゃぞ?」

「我も、時間が空けば手合わせしてやろう」

『よっしゃ!これでザビーさんの毛根死滅作戦発動しなくてすむ!』

「ソッチ?嬉シイのソッチナノ?」




なにはともなく、訓練出来るようになった!

もっともっと強くなる、
大友のみんな、待っててな?

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