大友宗麟観察日記!
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どうも皆様。大友紫智です。最近、我が父の様子がおかしい感じです。
………え、何がおかしいって?
『………これは、カステラ?』
「さすが紫智、南蛮の知識に詳しいですね」
父上があたしらを集めて見せたのは、南蛮にしかないはずのお菓子。
嫌な予感しかしない今日この頃。
『父上、これはなぜ?』
「貴方達に差し上げようと思いまして、愛故に」
『父上!?』
愛!?あたし達を腐る位に溺愛しいるあんたが愛!もう溺れるくらいに愛はもらったよ!
「紫智、あなたも食べたらどうですか」
「甘くて美味しいですよ」
『はや!?毒じゃないけどやめて!』
いや、父だけじゃない……宗麟もだ。
カステラをもっさもっさ食べる2人のアホを見ていると、頭が痛くなってきた。
「紫智様………」
『宗茂、十二分に言いたいことはわかる』
ダメだこいつら、
早くなんとかしないと。明らかにおかしくなってきている。きっと変な野菜でも食べたんだ。きっと顔がある野菜でも食べたんだ。
『南蛮文化……塩法師丸も父上もアホか』
「父上なんて堅苦しいですよ、パパと呼んでもかまいません」
『パパ!?』
「さあ、パパと呼びなさい!」
『呼ぶかああああ!?』
パパって南蛮語じゃねーかよ!
日本人の誇りとあたしのプライドにかけて、絶対に呼んでたまるか!
呆れてに呆れて、二人を見ると父はこちらを向いた。
「今日は貴女に会わせたい方がいます」
父が輝く位いい笑顔でオレを呼んだ。間違っても南蛮のカッパじゃないことを祈りたい。
『だれですか』
「とても素晴らしい方ですよ。塩法師丸はなんどか会っていますね」
「紫智も絶対に気に入りますよ!」
「この前京都に行った時、出会ったのです」
絶 対 に ア イ ツ だ。
ザで始まって、延ばす記号で終わるアイツだよな。会いたくない。宗麟が迷子になって出会うあの人だ。
「紫智も会いたいでしょう?」
『絶っ対に嫌です』
「紫智様!?今まで見たこともないような冷たい目に」
「実はもう来ているのですよ」
『わかってたよ!オレの人権は無視なのね!』
「恥ずかしいのですか、紫智は照れ屋ですね」
『あんたらあたしの話を聞いて!?』
「さあ、こちらに向かっていますよ」
『話を聞いて、それに明日じゃなかったの!?』
冗談じゃない!あんなガテン系のカッパになんか会いたくもない。
『あたしは絶対に会いませんからね!?』
「誰ニー会ワナイのデスかー?」
後ろに立っている人間(?)のせいか、あたしの前は影で真っ黒になった。宗麟の顔がキラキラと輝いている気がした。
いや………いない、いるわけが無い。カッパはいない。
…………一瞬だけ見よう。
「コンニチハー」
『ギャーーーーーー!!?出た!?』
「なかなかー変ワッテマスねーアナター」
後ろにいた巨大なカッパに思わず叫んだ。世界中のザビー信者、こんな巨体をなんで崇めることができる。
おまえら、頭の救済を求めているのか?ならリー○二十一にでも行けって。絶対にマシだぞ。
「ザビー様、紫智はとても照れ屋なんです」
「オーーシャイデスかー」
『オレはシャイじゃなーーい!勝手に決めないで!』
「ザビー様は南蛮からわざわざ来てくださりました、感謝しなさい」
『感謝するのは命令なのね!?』
誰がするか、こんな巨大なカッパに。
まだゴリラの方がマシ………あ、いや、やっぱりゴリラも嫌だわな。どっちも崇めたくない。
「紫智ちゃんって名前デスネー。いい名前デスヨー」
『ああ、どーも』
「アナター愛が足りてイナイですヨー、デモ大丈夫!ザビーに任せてよー!」
『いや、別にいいです』
おーい、今の会話の何処から愛不足がわかる。つまんねえ寝言は、寝てから言えやゴラ一回しばくぞ。
「紫智、ザビー様に全てを任せなさい!」
『絶対に嫌だ、頭に救済を施してから来て下さい』
「アナターツンデレですかー?」
『お前にツンデレる人間はこの世に居てたまるかーーー!?』
「紫智様がかつて無いほどにご乱心なされた!?」
『だったら止めろ宗茂!オレまで狂ったら大友の未来はどうなる!』
バサラは知っている、ザビーも知っている、けど、リアルに見ると頭が痛い。よく宗茂さんは狂わずにいれたもんだな。今度表彰してあげるよ。
「ザビー様、紫智にも愛を教えてあげてください」
「ワーカリマシター」
『…………なぜじゃああああああ!!』
「紫智も僕と共にがんばりましょうね?」
『嫌だああああ!!?!オレは嫌です!』
「始メはーダレだって不安デース」
『あんたに言われても全然安心しないんだよ!』
「南蛮語をしっかりザビー様に習ってくださいね、紫智」
『だから!塩法師丸だけにしてくれ!!』
「……グッジョブデース!」
『あんたが原因だろうがああああ!?』
大友の未来を考えると、
マジで頭が痛くなった今日この頃だった。